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マンションリサーチはこのほど、住宅ローン金利の動向予測を公表。変動金利は円安の動向次第で金利の調整が進み、10年固定金利は米国での利上げがなければ、さらなる金利上昇の余地は小さいと分析している。

( Money )

為替と米国の金利次第? 住宅ローン金利、今後の動向予測

DEC. 24, 2024 13:56
Text : 安藤美耶
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マンションリサーチはこのほど、住宅ローン金利の動向予測を公表。変動金利は円安の動向次第で金利の調整が進み、10年固定金利は米国での利上げがなければ、さらなる金利上昇の余地は小さいと分析している。

  • DH住宅ローン指数の推移

同予測は、住宅ローンの専業コンサルティング会社である「ホームローンドクター」の代表取締役 淡河範明(おごう のりあき)氏への聞き取りをもとに作成したもの。ダイヤモンド社とホームローンドクターで作成した、諸費用込みの住宅ローン金利の指標「DH住宅ローン指数」※を使い、分析した。

※主要15金融機関の実質金利の平均値を毎月計算。実質金利の計算の前提条件は、借入金額3,000万円、借入期間35年、元利均等返済、普通団信適用。諸費用については、融資手数料、保証料、団体信用生命保険料が対象

変動金利「円安の動向を注視しながら、金利の調整進む」

はじめに、変動金利の現状について、2024年10月は「金利のある世界」に復帰し、多くの銀行が変動金利を引き上げた。

一方、2024年12月初めのDH住宅ローン指数における変動金利は、前月の0.615%から0.001%下落。12月初め金利を上げた銀行が1社、下げた銀行が4社と10月とは逆の動きがあった。 今後の金利動向については「円安の動向を注視しながら、金利の調整が進むと考えられます」としている。

  • DH住宅ローン指数の推移(変動金利)

10年固定金利「米国利上げなければ金利上昇の余地は小さい」

日本国債10年物の金利を参考に設定されると言われている10年固定金利について、2024年12月初めのDH住宅ローン指数が1.394%となり、前月の1.342%よりも上昇。

11月の国内債券金利は石破新総裁の誕生後、財政拡大懸念や米国のインフレ懸念による米国金利上昇を受け、一時1.1%を超えた。この影響が上昇に寄与したと考えられる。

今後の動向については「現在ドル円が150円前後で推移しており、為替介入や国内利上げの圧力は限定的と見られます。当面、日銀の再利上げが焦点となるでしょう。予想通り10年国債金利は1%を超えましたが、米国での利上げがなければ、さらなる金利上昇の余地は小さいと考えられます。」としている。

  • DH住宅ローン指数の推移(10年固定金利)

全期間固定金利については「日本の景気が上向きという前提のもと、超長期金利の上昇も始まっており、住宅ローン金利も上値をおっていく展開になると予想しています。注意点は、米国の景気や為替動向です。トランプ政権下で、米国金利の上昇が起きれば住宅ローン金利上昇は加速し、円安から円高に転換すれば、住宅ローン金利上昇は一服することも考えられます。」と予測している。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。