旧車は整備が大変でもあるし、カスタムが楽しくもある。つまり、けっこう手がかかるのだが、その分、愛着も沸く乗り物なのだ。今回は愛車のフォルクスワーゲン「ゴルフⅡ」のヘッドライトに「イエローキャップ」を付けたり、ノッキング対策を施したりといった話。
ライトの色味でクラシックな雰囲気が増す?
2020年から新型車のオートライトが義務化され、夕暮れ時や雨天時には自動的にヘッドライトが点灯し、自らの存在を周囲にアピールしているクルマが増えてきた。しかし、1990年式の「ゴルフⅡ」には、当たり前だけれどそんなシステムはないので、ドライバーが手動で操作をする必要がある。
本連載の第2回で紹介したように、愛車のゴルフⅡはヘッドライトに3,000K(ケルビン)のクルーズ社製LEDイエローバルブ(H4)を装着済み。おかげで、点灯時にはかなり遠くから認識してもらえるようになっているのだが、消灯時には通常のものと同じでクリアに見えるだけだ。そこで、ちょっとしたオシャレ心と日中の視認性を高めるために、イエローバルブにかぶせて使う専用のイエローキャップ(2個セットで2,200円)をクルーズ社のホームページから注文して取り寄せた。
前回紹介したメーター照明の交換のタイミングで取り付けたのだが、消灯していてもライト周りがほんのりとイエローに見えるのがクラシックモデルらしくてなかなかいい。この時は一度、ヘッドライトを取り外したので、念のため、整備をお願いしているメカニックの小磯さんにテスターで光軸調整をしてもらった。発光色はイエローバルブよりすこし黄色の濃さが増したディープイエローに。2006年より前のクルマなら取り付けがOKなので、おすすめだ。
ノッキング対策で熟練メカニックの仕事を見る
窓を開けて走ることが多くなった初夏のころ、あることが気になった。軽くアクセルを踏むような中間加速時に、エンジンからノッキングのようなカラカラ音が盛大に出ているのを、壁やガードレールに反射して聞こえてくる音で確認したのだ。低音で響くせっかくのエンジンサウンド(といえるほどでもないけれど)が、その音で台無しになってしまっていたので、これもスピニングガレージで診てもらった。
小磯メカはまず、エンジンルーム内の可動部をあちこち揺らしたりしながらチェックしていく。するとすぐに、バキュームホースのキャップがボロボロに劣化しているのと、アイドリングアジャストメントスクリューのOリングが硬化してプラスチックのようになっているのを発見、「その隙間から空気が入っていたのでは?」と診断を下した。
パーツがあったのでどちらも新しいものに交換(バキュームキャップ330円、Oリング220円、作業工賃880円)。小磯メカ自らが店の周囲をテストドライブし、ノッキングが起きないことを確認して修理が完了した。同氏によれば、センサーが感知する空気の量と実際に流入する空気の量が異なっていたので、そうした現象が出ていたのであろうとのことだった。
安心のため予備キーを作成
筆者のゴルフⅡは、購入時にキーが1個しかなかった。心配なので、スピニングガレージに1個だけ残っていたブランクキー(AHタイプ、7,150円、本国のパーツセンターから取り寄せたという)を購入し、予備キーを作成することに。
このブランクキー、ちょっとお高かったのだが、シルバーで中抜きタイプのVWロゴが中央に入ったもので、使用中の全面プラスチックのものよりも作りがいい。近所の合鍵屋さんに持ち込んでみると、「金属の表面が固すぎで歯がこぼれそう」と断られてしまい、VWディーラー(VW日野万願寺店に教えてもらった)がよくお世話になるという「昭島ロックセンター」で作成(作業代1,200円)してもらった。