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ChatGPTなどの生成AIの登場により、4度目のAIブームが到来したといわれています。文章や画像、音楽、動画などのコンテンツづくりなどもAIが担うことができるようになり、私たちの働き方やビジネスの世界が大きく変わりつつあります。今回のAIブームは、過去の一過性のものとは異なり、インターネットやスマートフォンと同じように私たちの生活に不可欠な存在として定着するでしょう。ビジネスにおけるAI活用も一層進み、AIを活用する企業とそうでない企業の競争力の差は、ますます広がっていきます。本連載ではAI活用が当たり前になる社会においてこれまで価値を見出されてこなかった「音声」の可能性について紐解いていきます。

( Life )
4 AI時代の新潮流! 音声×AIがもたらすビジネス革命

営業を進化させる『音声×AI』活用法

DEC. 20, 2024 17:00 Updated DEC. 23, 2024 17:42
Text : 會田武史
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Contents

ChatGPTなどの生成AIの登場により、4度目のAIブームが到来したといわれています。

文章や画像、音楽、動画などのコンテンツづくりなどもAIが担うことができるようになり、私たちの働き方やビジネスの世界が大きく変わりつつあります。

今回のAIブームは、過去の一過性のものとは異なり、インターネットやスマートフォンと同じように私たちの生活に不可欠な存在として定着するでしょう。

ビジネスにおけるAI活用も一層進み、AIを活用する企業とそうでない企業の競争力の差は、ますます広がっていきます。

本連載ではAI活用が当たり前になる社会においてこれまで価値を見出されてこなかった「音声」の可能性について紐解いていきます。

これまでの連載では、AI時代における音声データの可能性や活用基盤の整備について解説しました。今回からは、営業やマーケティング、人材育成など、実際の業務での音声AIの活用法を取り上げます。

第4回では、営業活動における「話し方・話している内容・行動」の最適化について紹介します

「話し方」の最適化

話し方には人それぞれのクセがあり、自分では気づきづらいものです。

お客様との会話を録音してAIで解析すると、話すスピードやトーク比率、抑揚、相手に被せて発言した回数、沈黙回数、フィラー回数(フィラー:「えー」「あのー」など、次の言葉を選んでいる間の隙間を埋める言葉)、会話のラリー数といった話し方の特徴を定量的に可視化できます。これにより、営業担当者に「自分は早口だったのか」「話しすぎの傾向があるのか」といった気づきをもたらします。

解析項目の目標値は、顧客の属性や取り扱う商材によって変える必要があります。例えば、忙しい役職者に対してゆっくり話してしまうと信頼を得られないかもしれませんし、説明が複雑な商品の場合、早く話してしまうとお客様が内容を理解できず、意図しないクレームに繋がってしまうかもしれません。

まずは上記のような項目を分析できる音声解析ツールを使って、音声データを蓄積します。そこからハイパフォーマーとミドルパフォーマーの話し方を比較してどの解析項目に開きがあるのかを分析します。

数値に開きがある項目を標準化するにはどうしたら良いか、お客様が好まれる話し方はどんな話し方なのかといった2軸から自社に合わせた目標値を設定するのがおすすめです。

弊社のインサイドセールスでは、電話をかける際に目標数値に近い話し方を意識的に取り組むことで、新入社員が入社後1か月程度でフィラー回数を12回台から8回台、トーク比率を65%から58%に抑えるといった改善が見られました。

「話している内容」の最適化

「話している内容」も成果に影響します。アポイントや受注につながった商談を対象に、よく使われるキーワードの出現回数を調査。さらに、音声を聞き直すことで、よく使われるキーワードはどのような文脈、話題のときに使っているのかを確認できます。

例えば、受注につながった会話には、カスタマーサポートの手厚さなどサービス導入後のサポートに関する言葉が多く含まれていて、受注につながらなかった会話にはそのような単語が少なく、「今なら安く加入できる」「他社より安い」という導入前の言葉が多く含まれているといったことがわかれば、このような差が受注率に影響しているのではないかと仮説を立てて、スクリプトを変更したりキーワードを多く入れたりといった改善ができます。

「行動」の最適化

営業成果は「話し方」や「話す内容」のほかに、行動面も分析できます。具体的には、営業担当者が「いつ」「誰に」「何回電話をしたか」「訪問したか」という履歴から、ハイパフォーマーとミドルパフォーマーの行動を比較します。この分析をもとに、成果を上げるための最適な行動パターンを見つけられます。

多くの企業は電話や顧客訪問の回数といった「行動量」をKPIとして設定しています。ハイパフォーマーほど行動量が多く、電話や訪問の回数と成果が比例していれば、行動量をKPIとする方針は正しいといえます。

しかし、明確な相関関係がない場合は、原因は別にあると考え行動分析を行います。

電話をかける回数を例にすると、過去に電話をかけた時間帯の通電率を分析することで、電話をかける回数を増やさなくても効率よくアポイントが取れるようになるかもしれません。

ある企業では、電話をかけてから何回コール音が鳴るまで待つかを分析したところ、3回で切る人よりも5回まで待つ人のほうが多くアポイントを取れていることが判明しました。

これまでは、人を増やし、売り上げを増やしていくことが主流でした。しかし、人手不足が深刻になるこれからの時代は、やみくもに行動量を増やすのではなく、このような細かな分析により、少人数でも生産性をあげ、受注率を高める方法を見つけることが求められます。

音声データを営業活動に活用していくためには、まずは担当者にメリットを感じてもらうことも重要です。会話の分析による成果の向上に加え、AIによる議事録作成等、営業担当者の業務負担が軽減されると、より積極的に活用が進みます。

音声データを活用するメリットを感じてもらい、自ら進んで使ってもらうような体制を構築することで音声を活用したデータドリブンな営業活動が可能になります。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。