いすゞ自動車が普通自動車運転免許(普通免許)で運転できるトラック「エルフミオ」のカスタム車を「東京オートサロン2025」(1月12日まで幕張メッセで開催)に出展した。実物を見て思ったのは、エルフミオはアウトドア仕様にして、趣味のアイテムを満載して出かけても楽しそうなクルマだということ。いすゞA&Sの担当者に話を聞いてきた。
トラックでアウトドアという挑戦
「エルフミオ」(ELFmio)はいすゞ自動車が2024年7月に発売した小型ディーゼルトラック。オートマチックトランスミッション(AT)限定の普通免許でも乗れる“だれでもトラック”がキーワードで、オンラインで購入できる点も斬新だ。
東京オートサロン2025では、いすゞ純正用品の開発・販売などを手掛けるいすゞA&Sが「ELFmio CUSTOMIZE Lab.」(エルフミオ カスタマイズ ラボ)をテーマとしたコンセプト車両3台を展示している。中でも気になったのは、モスグリーンっぽいボディカラーに黒のパーツを組み合わせたアウトドアテイストのコンセプトトラック「ELFmio CROSS CONCEPT」だ。一目見て「カッコいい!」と思えた。こんな世界観のトラック、見たことない。
いすゞは2024年に東京オートサロン初出展を果たした。その際にはアウトドアブームを受けて、「トラックでアウトドアができないか」というコンセプトで作った「ELFmio OUTDOOR EDITION」を展示していた。その進化版が、今回の「ELFmio CROSS CONCEPT」だ。
仕事にも遊びにも使えるトラック
「今回は現実味を帯びたモデル」となっており、「量産化も含めて考えていきたい」というのがいすゞA&S担当者のコメントだ。量産化にこぎつけた場合の売り方については、パーツ販売やフルパッケージでの販売などいろいろな可能性があるらしい。「そのまま販売できるわけではなく、特に車両の下回りは開発中、検討中の部分もあるのですが、上のキャブの部分(荷台の上のフレームや柱の部分)は、なんとかこのままいけないかと考えています」とのことだった。
「クロスコンセプト」という名前は「普段の仕事、現場でも使えて、休日は遊びにも使える」という考えで名付けた。荷台の上の部分にはヘルメットや道具類をひっかけておくためのフックなどが付いていて、実用性も高いそうだ。もちろん、趣味に特化したアイテムもたくさん積める。
「ELFmio CROSS CONCEPT」のこの雰囲気、本格オフローダーやアメリカ製の超大型バンなどに乗っている人にも刺さるのではないだろうか。せっかくオンラインで買えるトラックなのだから、PCやスマホで自分なりのカスタムを試したうえで、気に入った仕様にして買えるような仕組みにすれば受けそうな気がした。
エルフミオの最上級グレードは「乗用車と変わらないレベル」の装備が売りだと担当者。電子パーキングブレーキ、電動格納ミラー、シートヒーターなどが標準装備となる。車幅は1,695mmとかなりコンパクト。最小回転半径は4.4mで小回りも利く。カスタム車が実際に発売となれば、趣味のクルマとして買う人が出てくるかも? 夢の広がるトラックだった。