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去年も高騰に高騰を続けた都心のタワーマンション相場。2025年はどうなるのか、特に湾岸エリアの物件の動きを占う3つのタワーマンションとは? 不動産ナビゲーターの渕ノ上弘和氏が解説します。

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2025年、専門家注目のタワマン3選 - 「晴海フラッグ SKY DUO」は転売市場でどう動くか

JAN. 05, 2025 11:00 Updated JAN. 06, 2025 10:42
Text : 渕ノ上弘和
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Contents

2025年に注目すべきタワーマンショントピックとしては、未竣工タワマンの動きと、引き渡し後間もない新築未入居、または新築後直ちに中古になっている物件の、セカンダリー(転売)マーケットでの動きです。今回は都心の、特に湾岸地域のタワーマンション市場を占う、3つの物件について解説していきます。

  • 晴海(「HARUMI FLAG SKY DUO」)・勝どき(「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」)を臨む(2024年9月 筆者撮影)

「広い部屋」「眺望の良い部屋」の価値がさらに高まる

現状、長引く金融緩和の結果として、キャッシュリッチ層、保有マンション転売利益確定層、年収がストレッチしているアッパー層が台頭しています。彼らはプレミアム物件に対する投資意欲が大きく、未竣工新築物件・引き渡し後間もない物件のエントリー情報を独自の感性とSNSからキャッチし、購入に動いています。

こうしたいわゆる"買える層"にとっては、新築物件の価格が引き渡し後すぐに1.5倍になるという「イージゲーム」の様相です。その結果、たとえ天井知らずの高値物件であろうとも、売れるロジックを形成しやすく、自己居住用物件としても暮らしやすい「広い部屋」「眺望の良い部屋」の需要が高まっているのです。

このトレンドは2025年も継続し、転売市場で有利に働くことは間違いありません。

とはいえ、これらがすべて購入し転売しても利益が出る物件であるとは限りません。バブルか、バブルではないか……物件価格の安定性は、賃料をベンチマークに考える必要があります。

2025年注目のタワーマンション

パークタワー勝どき

そのうえで、今年注目したいマンションの一つが、「駅直結一体再開発」と湾岸エリアの入り口という観点から、非連続な値動きを見せる「パークタワー勝どき」です。 築地市場跡地の再開発の影響も期待され、交通利便性や商業施設へのアクセスが望め、さらには月島の新築タワーマンションとの価格的な相互影響が想定されることを勘案すると、まさに抜群の立地。建築設計事務所 ホシノアーキテクツによるスタイリッシュなデザインも、勝どきのタワーマンション群にあって一際目を引くものとなっています。

  • パークタワー勝どき※プレスリリースより引用

地権者住戸は2023年から引き渡しが始まっていましたが、実際に引き渡しが始まり物件が動き始めると、じわじわと安定的な値動きを見せ、物件価格は平米単価200万円からスタートして1.5倍の300万円までストレッチしています。

東京都の資料によると2027年度に竣工と言われている「パークタワー勝どきノース」(仮称)の価格の動き方が読めないが故に、自己居住・賃貸運用両方の「投資家」の気持ちを鷲掴みにしている案件です。

物件価格の安定性を占う「賃料」については、デベロッパーが保有・賃貸に出している456戸の賃貸用住戸の状況を鑑みると、決して悪くない価格で推移していますので、一定の評価ができるでしょう。

ただし、物件価格の上昇にキャッチアップする形で賃料が上がってこないと、「バブル」である可能性が否定できません。引き続き、賃料の動きが注目される物件です。

HARUMI FLAG SKY DUO

二つ目は、眺望と広さを望むアッパー層が、自己居住用使用を目的とした"割安物件"としてエントリーしている人気案件「HARUMI FLAG SKY DUO」です。

2025年予定の引き渡しを控え、賃料の動きが見えない中、運河の向こうの勝どきエリアと同じ値動きをするのか否か、HARUMI FLAG内の既存の板状マンションの動きとどこまで連動するのか、皆さんの想像力を掻き立てています。

2025年、湾岸タワーマンショントレンドを占う非常に重要な物件と言えるでしょう。

  • 「HARUMI FLAG SKY DUO」現地(2024年9月 筆者撮影)

駅からの距離は様々な観点からネガティブになりうるのですが、バス便が充実している点や、その立地から商業施設「ららテラス HARUMI FLAG」の恩恵をダイレクトに享受できる点はポジティブです。

なお、別の記事でも記載させていただいていますが、HARUMI FLAGは現状夜も住戸の灯はついており、一部マスメディアが騒ぐような「廃墟」ではないのが実際です

デザイン性については、様々な憶測・コメントもありますが、海をモチーフに広がりを見せるエントランスホール等、「今」のマンションのデザイン性を十分に備えており、遜色あるつくりではないと言えます。

「賃料」については、HARUMI FLAG内の近隣の既存の70㎡台のファミリータイプマンションが30万円程度の賃料で速やかに決まっていることを勘案すると、"弱い"とは言えない状況です。

数多く存在する眺望の引きがある部屋、プレミアム的な広さの部屋について、賃料にどれだけ上乗せできるか……2025年の引き渡し後、半年程度の賃貸付けの答え合わせが物件価格に対する安定性の観点からも重要です。

なお、プレミアム賃料価格が大きくつかなくとも、安定的に賃貸に出せていれば、自己居住用購入者の心理的安定性に資するため、セカンダリー(転売)マーケットで価格を伸ばしていくことができる可能性は高いと言えそうです。

THE TOYOMI TOWER

コンクリート強度不足から一旦足踏みをしたものの、いざ売り出しを再開した際には、"WEBサービスがアクセス困難になった"との噂がある「THE TOYOMI TOWER」。結論、抽選については絞りつつ倍率調整を行ったとの話も耳にしますが、何はともあれ安定的に成約していることは間違いないのが実際です。2027年の引き渡しまでにマーケットがどのように動くのか、誰もが注目している物件です。

  • 「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」(2024年9月 筆者撮影)

人によっては、「まわりにお店がない」「倉庫街である」等の意見がありますが、少し大きな範囲で見た際には、いわゆる「勝どきエリア」の一部としての評価ができます。

築地エリアからの開発を考えた導線が実は面白い、と私は感じています。HARUMI FLAGまでの街の広がりを考えると、決して立地がネガティブ要素になるとは思いませんが、その開発余力に期待して、今の状況を我慢できるか、勝どき中心地との差が出るのか……アッパー層の注目を集めています。

既存タワマンとの差別化が可能な「曲線を軸に海と空に映えるデザイン」(ホシノアーキテクツ)、海外投資家を視野に入れている、気圧対策、または廊下のスペースの関係上…といわれている、専有部分の"内開き"扉の是非なども、建物の価値評価において注目したいポイントです。

「賃料」については、30階までが賃貸専用となっている近隣物件「THE TOKYO TOWERS(MID)」の賃料がエリアのベンチマークとなっています。もちろん賃料自体は上がってきているのですが、エリアの物件価格が2割~非連続に伸びている中で、例えば22F、53.74㎡で22万4,000円という賃料付は決して非連続に伸びているとは言い難いのが実際です。

このような状況でTHE TOYOMI TOWERの賃料がどのようについていくのか、答え合わせが楽しみな物件です。

2025年、タワマン投資家の歩き方

湾岸タワマンの購入を考えている方にとっては、「HARUMI FLAG SKY DUO」の動きを見て、「パークタワー勝どき」の伸びを見て、今後竣工する「THE TOYOMI TOWER」の物件価格の安定性を確認する、という流れが一つの勝ちパターンと言えるでしょう。そしてもちろん、近隣の中古タワーマンションを見ていくのも面白いと思います。

賃料の動きを見ながら、バブルではないのか(賃料が上がるのか)、港区のブランディングエリアと同じような利回りでも安定的に物件流通がなされるのか……これらを丁寧にモニタリングすることが重要だと考えます。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。