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オーデマ ピゲは世界三大時計ブランドの一角に君臨する高級メゾンです。その代表モデルである「ロイヤル オーク」は1972年に登場し、50年以上続く歴史あるモデルですが、近年はまったく買えない状態が続いています。なぜなのでしょうか?

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【2024年末版】人気すぎて買えない時計③:オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」

DEC. 30, 2024 11:00 Updated DEC. 27, 2024 12:55
Text : 室井大和
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オーデマ ピゲはパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンとともに世界三大時計ブランドの一角として君臨し、1875年の創業時から一貫して創業家一族が経営している高級メゾンです。代表モデルの「ロイヤル オーク」は1972年に登場し、50年以上続く歴史あるモデルですが、近年はまったく買えない状態が続いています。なぜなのでしょうか?

  • オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」

    オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」は今も大人気!

ロイヤル オークは元祖ラグスポ

腕時計には「ラグスポ」(ラグジュアリースポーツウォッチ)というジャンルがあります。明確な定義はないとされているものの、ケースとベルトが一体化したデザインで、貴金属ではなくステンレススチールであることなどがラグスポの共通点といわれています。つまり、ラグジュアリーウォッチ(金やプラチナなど)を手がける高級ブランドが作るスポーツウォッチ(貴金属ではなく防水性や耐傷性などを強化)がラグスポといえるでしょう。

ロイヤル オークは1972年に登場していますが、貴金属の時計を多く展開している高級メゾンがあえてステンレススチールを使ったことが1970年代には珍しいとされていました。 そのデザインがここ数年(2000年代以降)、シーンを選ばずに汎用性が高く、スタイリッシュで使い勝手がいいということで着目されるようになりました。最近では比較的安価な時計メーカーもラグスポテイストな時計を発表し、ラグジュアリーウォッチやスポーツウォッチなどと同じようにラグスポという時計ジャンルが定着しました。そのラグスポの元祖といえるのが、オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」なのです。

  • オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」

ロイヤル オークのダイヤルは凹凸のあるタペストリーダイヤルが採用され、ベルトはサテン(筋目)とポリッシュ(光沢)によって磨き分けられていて、遠くからでもすぐにロイヤル オークとわかる眩い輝きが最大の特徴です。時計のケース厚は10mm程度に抑えられており、装着感も良好。スポーツウォッチでありながらドレッシーな要素もあって、シーンを選ばない使いやすさが人気です。

予約すらままならない大人気モデル

現在、正規販売店で購入できるロイヤル オークは、さまざまなケース素材・ケースサイズで豊富な選択肢の中から選べるようになっています。最も代表的なモデルはシンプルな3針(秒針、短針、時針)で、ケースサイズは41mm、パワーリザーブは約70時間と実用に耐えるスペックを誇っています。ただ、ロイヤル オークの生産は細部まで丁寧に作り込まれているため、生産本数に限りがあるようです。

あまりの人気で、日本のみならず世界中で購入できない状態が続いています。正規販売店では、すでに多くの取り引きのある顧客に優先的に案内されているという噂も聞きます。実際、これまでいくつもの時計をオーデマ ピゲで購入したことがある知人は、2019年のモデルチェンジ後、すぐに案内があったといいます。一見さんが購入するにはかなりハードルが高く、そもそも予約すらできなかったり、タイミングよく予約ができても、いつ入荷するかわからなかったりという状態が何年も続く可能性があるようです。

  • オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」

参考までに日本国内の正規販売店での定価は412万5,000円(2024年12月時点)ですが、二次流通市場では安くても650万円(傷のある中古品)から750万円(それなりにキレイな中古品)くらいで売られていて、未使用品ともなると800万円を超えます。現行モデルは中古でも出回っていることが少なく、新品はおろか中古でも入手が困難。どこへ行っても買えない幻の時計になってしまっています。

入荷が少ないということはそれだけ作ることが難しく、世界中で欲しがっている人がいるということなのでしょうが、供給が安定して定価で買える日はやってくるのでしょうか。

  • オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。