観光客でにぎわう週末の横浜に、ハーレーダビッドソンにまたがるバイカーたちが大挙襲来した。山下公園にほど近い美しい通りを、隊列を組んで駆け抜けていくド派手なアメリカンバイクたち……。なんとも面白い取り合わせだが、これっていったいどういう状況? 現地で取材した。
実はこの光景、横浜での開催は今回が初めてとなるハーレーダビッドソンの祭典「ブルースカイヘブン」(Blue Sky Heaven)のひとコマ。約300台のハーレーが横浜の公道を練り走った(?)パレードの様子だ。
ハーレーダビッドソン ジャパンは従来、ブルースカイヘブンを静岡県の富士スピードウェイで開催してきたが、今年は会場を横浜に移した。場所がサーキットじゃなくても盛り上がるものなのか、現地の様子を確認してきた。
イベントの内容は?
台風1号の影響で直前まで開催が危ぶまれていたブルースカイヘブン2024。蓋を開けてみると、現地は当初の不安を吹き飛ばすかのような晴天に恵まれた。
初日は早朝から横浜にハーレーサウンドが響き渡り、続々とイベント参加者たちが来場。駐輪場は全国から集まったハーレーダビッドソンでどんどん埋め尽くされていく。
会場に入るとハーレーの最新モデルがズラリと並んでお出迎え。展示されているバイクに実際にまたがって、ライティングポジションの確認ができるのもイベントのウリのひとつだ。来場者は展示モデルに次々とまたがり、イメージを膨らませていた。
「ブレイクアウト」や「Xシリーズ」など、9車種のニューモデルに試乗できる「TEST RIDE」ブースもにぎわっていた。1回1,000円のエントリーフィーを払えば事前予約なしでも試乗できるということで、気になるモデルの乗り心地を体感したオーナーも多かったのではないだろうか。
例年通り、盛り上がりを見せていたのが物販エリアだ。今年はハーレー正規ディーラーが純正ウエアやグッズを最大50%オフで販売する「H-D DEALER SHOP」に加え、ムーンアイズ(MOONEYES)など複数のショップが軒を連ねる「BLUE SKY MARKET」も出展しており、各ショップは掘り出し物を探す来場者でごった返した。
お昼時になると大行列ができていたのが、全国から選りすぐりの名店が集まる「FOOD TRUCK VILLAGE」と「HAMBURGER FESTIVAL」のフードコーナーだ。個性あふれるラインアップの数々に、来場者たちは何を食べるか頭を悩ませている様子だった。
「BULE SKY STAGE」ではRIP SLYME(リップスライム)やクリスタル ケイなどの有名アーティストがパフォーマンスを披露。観客の中には、バイクではなくフェスが目当てっぽい人もいるようだったが、どんな目的で遊びに来てもOKなオープンな雰囲気もブルースカイヘブンの特徴。バイクに興味があってもなくても、皆で楽しく時間を過ごそうというのがブルスカなのだ。
約300台のハーレー軍団が山下公園通りをジャック!
2日目のハイライトは、何といっても「能登復興支援パレード」だ。パレード自体は過去にも富士スピードウェイのコース内で行われていたが、公道を使うのは今回が初の試みとなる。
2024年1月1日に震災の被害を受けた能登半島は、ライダーの聖地とも呼ばれる場所。今回のパレードは能登復興支援と銘打って開催した。参加費全額とパレード趣旨に賛同する来場者から集まった募金106万5,644円は後日、寄付するとのこと。
パレードに参加したのは約300台。当日は10時に山下ふ頭特設会場を出発し、隊列を組んで山下公園通りを駆け抜けていった。
都市開催の手ごたえは? 野田社長を直撃!
2日で延べ約1万1,000人が来場したブルースカイヘブン2024。初の都市開催となった今回の手ごたえをハーレーダビッドソン ジャパン社長の野田一夫さんに聞いてみた。
――ブルースカイヘブン2024を終えていかがでしたか?
野田さん:天候の不安もありましたが、初日は快晴で朝から多くの方が訪れてくれました。電車やバスなどで来場された方やウォークインのお客様が多かったのは、アクセス良好な都市開催ならではだったと思います。これまで、ハーレーのお店に来たことがなかった方にとっても、ブランドに触れるいい機会になったのではないでしょうか。
――個人的に、最も良かったことは?
野田さん:やっぱり、能登復興支援パレードが開催できたことですね。沿道の方にも暖かく見守っていただきました。
今回のブルースカイヘブンには、ゲストとしてハーレーダビッドソンCCOのルーク・マンスフィールドさんとハーレーダビッドソンアジアパシフィックVPのディミトリス・ラプティスさんも来場されていましたが、イベントを大絶賛していました。日本のハーレーファンの熱気を見せられたことも、大変良かったと思っています。
――ブルースカイヘブンは今後も都市開催になりますか?
野田さん:初の試みでしたが、個人的にはとても良かったと思っています。今後に関しては色々なフィードバックを検証してからにはなりますが、ポジティブに検討したいと考えています。