ルネサス エレクトロニクスと豪Cohda Wirelessは10月7日、車載用V2V(車車間通信)/V2I(路車間通信)の分野における協業を発表した。
今回の協業に伴い両社は、ルネサスのV2Xスタータキットと、Cohda Wirelessの通信ソフトウェアで構成され、欧州電気通信標準化機構(ETSI)、高度道路交通システム(ITS)、自動車技術者協会(SAE)と電気電子技術者協会(IEEE)の規格に準拠している「V2Xリファレンスシステム」を開発、2017年4月より提供を開始する予定だという。
同リファレンスシステムを構成するV2Xスタータキットは、5.9GHz帯の車載無線通信用SoC「R-Car W2R」と、通信やメッセージを暗号化してサイバー攻撃から守るハードウェアセキュリティモジュール(HSM)を搭載したホストプロセッサ「R-Car W2H」を搭載。いずれも欧米の通信規格であるIEEE 802.11pとETSIに準拠しているほか、スタータキットは、V2Xのインフラを広く普及させるためUSDOTが推進するConnected Vehicle Pilotsに確立された「SAE Minimum Performance Requirements」を満たしているという。
一方のCohda Wirelesのソフトウェアソリューションは、IEEE1609とETSI ITS-TCに準拠したプロトコルでNetwork、Facilities、Applications、Management、Security Layerで構成されている。
なおルネサスでは、V2Xメーカーは今後、これらの検証済みのハードウェアとソフトウェアを活用することで、自動運転に向けた今後のニーズに対応を図っていくことが容易になるとコメントしている。