冥王星は惑星か。一度は決着がついたこの問題を再度検討すべきという声が上がっている。

冥王星が太陽系の惑星から除外されたのは、観測精度の進歩とともに似た大きさの天体が多数発見されたため。2006年に開かれた国際天文学連合(IAU)総会でそれまで曖昧だった惑星の定義が投票によって定められ、冥王星は惑星ではなく準惑星に分類された。しかし、「太陽の周りを周回すること」と定義されたため、他の恒星系には適用できず、準惑星と惑星の違いが明確でないことなどから、依然として異議を唱える者が後を絶たなかった。

そこで米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)がこのほど、より汎用性のある定義を見出そうと、著名な天文学者3名を集めて公開討論を実施、インターネット上に公開した。

討論後、会場の観客にどの学者の定義が一番納得がいくか、そして冥王星は惑星かどうかについて投票をさせたところ、最も観客の支持を集めたのは冥王星は惑星であると主張する学者の「惑星とは、恒星またはその残骸の周囲で形成される、物質が球状にかたまったもの」という定義だった。

この結果を受けてアメリカ航空宇宙局(NASA)のAlan Stern氏は、2006年のAIU総会には全天文学者の5%以下しか参加していなかった点を指摘し、投票自体の有効性に疑問を呈した上で「定義に照らすと、同じ公転軌道上に隕石がある地球や火星も惑星ではなくなってしまう」とコメントしている。

冥王星(左)が惑星に復帰する日はくるのだろうか (C)David A. Aguilar (CfA)