次期iPhoneに関するスペックシートが一部ネット上に出回り話題になっている。これは廉価版と呼ばれるものと、従来版にあたる2種類の製品に該当するもので、前者は1GBメモリを搭載した1.23GHz駆動のデュアルコアプロセッサ搭載、後者はTDD-LTEならびにTD-SCDMAのサポートがうたわれている。真偽のほどは定かではないが、どちらも興味深い話題だ。

同件はApple Insiderが報じている。もともとはPhone Arenaに掲載されたリーク資料とみられ、そこには「Zenvo」と「Zagato/Bertone」という3つのコード名が記述されている。Zenvoはいわゆる「廉価版iPhone」に該当するものとみられ、後者のZagato/Bertoneは従来と同様のiPhoneでそのアップグレード版に該当するものとみられる。

この2種類の製品は搭載プロセッサ(チップセット)で区別されており、Zenvoは「H5P」と呼ばれるデュアルコアプロセッサ、Zagato/Bertoneがコア数不明な「H6P」となっている。H5Pでは1.23GHz駆動のSamsung製プロセッサで、搭載メモリは1GBと現行モデルと同等。H6Pは動作クロックなどは不明で、搭載メモリは同様に1GBとなっている。Zenvoはおそらくプラスチックシャーシとみられ、その外観写真がリーク情報の一部に含まれている。またZagatoのみデザインスケッチが用意されており、それを見る限りは現行iPhoneと同様の外観をしていることがわかる。

もう1つの注目点はH6Pにおけるネットワークサポートで、ZenvoではFDD-LTEとW-CDMAといった標準的ネットワーク対応が行われているのに対し、Zagato/BertoneではTDD-LTEならびに、TD-SCDMA (Bertoneのみ)の対応がうたわれている。TDD-LTEは世界市場をターゲットにした端末となるが、BertoneでサポートされるとされるTD-SCDMAは中国移動通信(China Mobile)など一部地域限定の規格であり、同キャリアをターゲットとした製品ということになる。中国移動ではいまだiPhoneを取り扱っておらず、もしこの資料が本物ならばこの点が興味深い。