既報の通り、米アップルは携帯端末向けOSの「iOS」を最新の「iOS 6.1」に更新するアップデートの配布を開始した。これを適用することで、LTE対応キャリアの拡大などが実現しているが、その中で、KDDI(au)向けiPhone 4Sに対して、対応周波数拡大も実施されているようだ。
au向けiPhone 4Sは、2GHz帯の周波数帯域を使って3G通信サービスを提供している。この周波数帯は、もともとKDDI向けに15MHz幅×2の帯域が割り当てられており、昨年7月以降は、これが20MHz幅×2に拡張されている。これはPHS向けに割り当てられていた周波数帯と隣接していた帯域で、ガードバンドとなっていたが、これが開放されたため、その5MHz幅×2が追加されていた。
KDDIは2GHz帯に対して、3GとiOS(iPhone 5/iPad mini)向けのLTEサービスを提供しているが、LTE向けの帯域を拡大すると、3Gの帯域が削られることになり、現行の3Gユーザーがつながりにくくなったり、速度が落ちたりする可能性があった。
追加された5MHz幅×2に対して3G端末が対応することで、3G網の混雑緩和に貢献し、端末のつながりやすさや速度が向上する可能性がある。
KDDIによれば、昨年6月以降に発売された端末はすでにこの追加分に対応しており、それ以前に発売された2012年春モデルのうち、グローバルモデルでこの帯域に対応したチップを搭載した「Xperia acro HD IS12S」と「Optimus X IS11LG」はアップデートですでに対応済みだという。
これに対して、2011年発売のiPhone 4Sは、今までこの追加分には非対応だった。今回のアップデートともに「キャリア設定」のアップデートが配布され、それらを適用したiPhone 4Sを調べた限りは、この新しい帯域に対応している模様だ。これによって、iPhone 4Sでの回線品質の改善が期待できる。なお、iPhone 5やiPad miniでは、すでに同周波数帯への対応は行われているようだ。