NTTドコモは10月11日、東京都内イベント会場で行われた新製品発表会において、MicrosoftのWindows Phone 8提供が当初の予定より遅れることになると説明した。現時点で2011年冬~2012年春モデルでの提供予定機種に同OS搭載モデルは含まれておらず、少なくとも2013年後半以降の提供になるとみられる。
同件は、11日早朝に日本経済新聞が「Microsoftの要請によりメーカーとNTTドコモがWindows Phone 8端末のリリースを取り止めた」という報道を受け、NTTドコモの加藤薫社長が答えたもの。加藤氏によれば、今回の判断は基本的にMicrosoftとメーカーの間での問題で、NTTドコモが直接関与しているものではないとしている。一方で、以前に前社長の山田隆持氏が「2012年末でのWindows Phone端末の登場」をほのめかしている。これについて加藤氏は「その意味では当初の提供計画が遅れている」と述べ、計画自体に遅れが生じていることを認めている。だが同時に法人(企業)を中心にMicrosoftの携帯OSに対する期待が大きく、Windowsとの親和性と合わせ、これからも販売の検討を続け、期待に応えていきたいともコメントしている。
Windows Phone 8については現在Nokia、Samsung、HTC、Huaweiの4社が対応端末をすでに発表しており、11月より順次世界展開を計画している。だが日本の端末メーカーであった富士通(東芝)は、Windows Phone 8ローンチの時点で発表された参加メーカー一覧には含まれておらず、現時点でその動向が不明の状態だ。上記4社についても日本での端末リリースは発表しておらず、国内唯一のWindows Phone 7端末「IS-12T」を販売していたKDDIも、Windows Phone端末の提供計画を原稿執筆時点で発表していない。このように、Windows Phone 7以降、Microsoftの携帯OSを搭載した端末は日本でのプレゼンスが極端に低下しており、非常に厳しい状況にある。NTTドコモ側のコメントを借りれば、ビジネス的側面からMicrosoftあるいは日本への端末投入を計画していた端末メーカーのいずれかで、提供計画中止の判断が働いた可能性がある。