キングソフト、および同社のグループ会社であるMobile In Style(モバイルインスタイル)は、 キングソフトが昨年の12月に発表した、7インチのAndroidタブレット「eden TAB(エデンタブ)のWi-Fiモデルの予約を2月17日より受け付け、2月25日から直販による販売を開始すると発表した。
eden TABは、当初、1月中の販売開始を予定していたが、遅れていた。価格は、送料無料の29,800円となっている。また、業界初だという完全無料で14日間返品OKというお試しサービスも実施する。
そのほか、キングソフトは、中国でスマートフォンの販売を手がける北京小米科技有限公司(Xiaomi社、以下、シャオミ)と資本・事業提携し、タブレット端末の販売において協力していくこともあわせて発表した。
Mobile In Styleは、キングソフトとシャオミがタブレット販売を行うために共同設立した会社で、今年の1月5日に設立。出資比率は、キングソフトが85%、シャオミが15%だという。
シャオミは、創業者のLei Jun氏がモバイル革命を起こしたいと、2010年3月に設立した会社。独自OSを搭載したスマートフォン「MI-One」を1,999元(日本円で約24,000円程度)という低価格で販売し、74時間で100万台を販売した実績があるという。
今回両社が提携したのは、技術相互供与、OSやソフトウェアでの連携・支援、一部部品の共同調達、同じOEM工場生産による品質管理、ノウハウの共有といった部分。Mobile In Style 代表取締役社長 下浩子氏によれば、両社は、タブレットとスマートフォンという、互いの生産ラインを補完し、日本と中国両市場でのシェアの最大化を図っていくという。
なぜキングソフトがタブレットを販売するのかという点について、キングソフト 代表取締役社長の沈海寅氏は、「キングソフトはこれまでソフトウェアの無料提供を行って、このビジネスモデルはうまくいくという感触をつかんだ。そこで、無料ハードウェアでも成功するのではないかと考えた」と説明する。
今後は、パソコン等ではおなじみの、通信会社との提携による0円端末の提供、OEM提供によるBtoBtoCモデル、メーカーと提携により電子カタログをプレインストールし、そのアプリの販売によるアフィリエイト収入など、本体以外での収益モデルを追求していくという。沈氏は「各種業界との連携を模索していきたい」と語る。
「eden TAB」の開発にあたっては、できる、できないは別にして、「自分が使いたいタブレットは何か?」を考え、速い、品質が良い、デザインが良い、携帯しやすい、スタイリッシュ、軽い、カッコイイ、値段が安いというキーワードを考えたという。
そして、「妥協しないデザイン」、「妥協しないスペック」、「妥協しないクオリティ」の3つをポイントして開発したという。
デザインは、簡潔的、ただし普通でないをコンセプトに、居心地がいい、くつろげる、気取らない、魅力的を目指し、画面の回転ロックをソフトウェアではなく、ハード的に切り替えられるスイッチをつけたほか、HDMI端子を搭載。7インチのタブレットとしては、他社よりやや細めし、手の小さな女性でも持てる、スーツの内ポケットに入ることを目指したという。
スペックについては、性能、表示、カメラ、センサー通信、バッテリ、ソフトと6つのポイントにこだわり、CPUには、Galaxy Tab Plusと同じサムスンの1.2GHzデュアルコアを採用、画面解像度もiPad 2よりも高い、1,280×800ドットを実現する。センサーは沈氏が「載せられるものはすべて載せた」というとおり、GPS、3次元加速度センサー、光量センサー、近接センサー、電子コンパス、ジャイロセンサーの6つのセンサーが搭載されている。
バッテリは、待機時間で1,080時間、動画は約20時間閲覧でき(いずれも理論値)、通常使用で、2~7日間は大丈夫だという。
クオリティについても、スマートフォンに準ずる試験を実施。水没テスト、踏みつけテスト、振動テスト、落下テストなどを行ったという。沈氏は、「安かろう、悪かろうではない」と自信を見せる。
また、今後同社では、独自にアプリマーケットを創設し、日本のコンテンツを中国に向けて提供していくことも予定しているという。
キングソフト 取締役 翁永飆氏は「ユーザーにとっては、端末があっても、それでいったい何をするのかということになる。日本のコンテンツプロバイダさんは、映画や音楽を中国でどう売っていっていいのかわからないので、日本と中国の共通マーケットをつくり、著作権保護のDRM付きのまま、中国で販売していきたい」と語った。
なお、プレインストールソフトなどが異なるモデルを、2月25日に一部量販店で販売するほか、4月には3Gモデルの販売も予定している。