ソニーは24日、「Eマウント」を採用するコンパクトサイズのデジタル一眼カメラ「NEX」シリーズ新モデル「NEX-5N」と「NEX-7」を発表した。価格はいずれもオープンプライスで、9月9日より順次発売される。
NEX-5N
NEX-5Nは従来のNEX同様、フラッシュや手ブレ補正機構を内蔵しないことでコンパクト化を図ったモデル。最薄部で約23.3mm、本体重量が約210gとレンズ交換式のカメラとしては世界最小・最軽量クラスだ。撮像素子には、APS-Cサイズ・有効約1,610万画素のExmor APS HD CMOSセンサーを採用しながらも、本体のみの重量で約210gという軽量化を実現した。
感度は世界最高ISO25600となっており、動きの速い被写体を撮る際もブレを抑えられる。高感度撮影時に心配なノイズだが、本機では従来比で1段相当の低ノイズ化を実現した。なお、感度の下限はISO100となっている。
また、全般的に速度が従来機より向上している。レリーズタイムラグはレンズ交換式デジカメとして最速となる約0.02秒、イメージセンサーの読み出しが従来機「NEX-5」や6月に発表された「NEX-C3」の2倍となり、AF速度が大幅に高速化した。最高で約10コマ/秒の連写機能やタッチした被写体を自動追尾する「追尾フォーカス」機能も、動きのある被写体を撮る際に便利だ。
液晶モニターは3型・約92.1万ドットで、高精細な表示が可能となっている。モニター部は可動式で上下にチルトするようになっており、ハイアングルやローアングルでの撮影に便利だ。さらに、本モデルの液晶モニターはタッチパネル方式のものを採用し、ほぼ全ての操作がキー操作、タッチパネル操作の両方に対応している。エントリーユーザーが多く見込まれる機種だけに、直感的な操作が可能な仕様はありがたい。
動画撮影はAVCHD形式のフルHD動画に対応し、新たに60pでの撮影も可能になった。滑らかな映像を撮りたい場合に最適だ。また、映画と同じ24pでの撮影も行える。
記録メディアは、メモリースティックPRO/PRO-HGデュオ、またはSD/SDHC/SDXCメモリーカードが利用できる。サイズ/重量は約W110.8×D38.2×H58.8mm/約210g(本体のみ)・約269g(バッテリー、記録メディア含む)。なお、付属バッテリの撮影可能枚数はCIPA準拠で約430枚で、従来機「NEX-5」の330枚から30%以上もアップした。
パッケージは本体のみのキット以外に、レンズ付属キットを3タイプ用意。レンズ付属キットは、標準ズームレンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属する「ズームレンズキット」、標準ズームレンズ以外に単焦点レンズ「E 16mm F2.8」が付属する「ダブルレンズキット」、標準ズームレンズ以外に望遠レンズ「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」が付属する「ダブルズームレンズキット」というラインナップだ。いずれも価格はオープンで推定市場価格は、本体のみのキットが75,000円前後、ズームレンズキットが85,000円前後、ダブルレンズキットが95,000円前後、ダブルズームレンズキットが110,000円前後となっている。
NEX-7
「NEX-7」は、「NEX」シリーズの新たな最上位ラインに位置づけられるモデル。 撮像素子は従来の「NEX」シリーズ同様、APS-CサイズのExmor APS HD CMOSセンサーだが、レンズ交換式カメラとして世界最高クラスとなる有効約2,430万画素を実現。従来モデルとは一線を画す超高画質を得られる。
感度は最高16000、最低ISO100だ。レリーズタイムラ約グ0.02秒、最高で約10コマ/秒の連写機能、追尾フォーカス、60pのAVCHD動画撮影といった機はも、NEX-5Nと共通だ。
上位ユーザー向けの機能として、ダイヤルを背面に1つ、上部に2つ備える「Tri-Dial Navi(トライダイヤルナビ)」を搭載。露出やホワイトバランス、コントラスト、彩度、シャープネスといった基本的な設定項目を3つのダイヤルと上部前方のナビゲーションボタンだけで変更できる。設定メニューの深い階層を起動せずに済むので、手早く変更が行える。
なお、液晶モニターはタッチパネル操作に対応していない。液晶サイズ・表示画素数は3型・約92.1万ドットとなっている。
他にNEX-5Nと異なる点としては、電子ビューファインダー「XGA OLED Tru-Finder」を搭載する点だ。XGA表示かつ有機ELで、従来の電子ビューファインダーと比べて格段に精細感があり、高コントラストな被写体認識が可能になっている。視野率は約100%。また、内蔵フラッシュを備える点も、従来の「NEX」シリーズにはなかった特徴となっている。
記録メディアは、メモリースティックPRO/PRO-HGデュオ、またはSD/SDHC/SDXCメモリーカードが利用できる。サイズ/重量は約W119.9×D42.6×H66.9mm/約291g(本体のみ)・約350g(バッテリー、記録メディア含む)。なお、付属バッテリを使ったCIPA準拠の撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約350枚、液晶モニター使用時で約430枚となっている。
パッケージは本体のみのキット以外には、標準ズームレンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属する「レンズキット」のみとなっている。価格はいずれもオープンで、本体のみのキットが130,000円前後、レンズキットが145,000円前後となっている。
有機ELファインダーをオプションとして用意
今回の発表に合わせて、外付け式の電子ビューファインダー「FDA-EV1S」もリリースされた。総ドット数約235.9万と高精細のOLED(有機EL)を採用しており、コントラストも従来比で約10倍と高いので、被写体をしっかりと視認できる。視野率は100%だ。なお、上下約90度のチルトが可能なので、撮影するアングルも柔軟に選べる。発売は9月9日で、希望小売価格は34,650円となっている。
豊富なAマウントレンズを装着できるアダプター
デジタル一眼レフカメラ「α」シリーズで採用されている「Aマウント」用レンズを装着できるマウントアダプター「LA-EA2」もリリースされた。本ユニットを装着すると、トランスルーセントミラー・テクノロジーや位相差検出方式AFの高速レスポンスが「NEX」シリーズにおいて実現できる。希望小売価格は39,900円で、10月14日の発売予定。