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電気自動車やハイブリッドで使われる技術のひとつに回生ブレーキと呼ばれる仕組みがある。これはブレーキの動作から電力を発生させて充電し、その電力を加速時の電力として使いまわすというもの。EVやハイブリッドの特徴的な技術のひとつとされている。しかし、自動車に関する環境技術はEVやハイブリッドなどに限定されるものではない。さまざまな企業や研究機関、国の機関が研究開発に取り組んでおり、さまざまな技術が存在する。
そうした技術のひとつに、減速時に一旦電気に変換することなく、別のメカニズムを使ってエネルギーを取り込み加速時の補助にするというものがある。2012年以降、米国ではそうしたメカニズムを搭載した自動車を目にする機会が増えるかもしれない。Chryslerと米環境保護庁は19日(米国時間)、液体と気体を使って機械的にブレーキ時のエネルギーを加速時のエネルギーとして活用する仕組みを実用化するプロジェクトを実施すると発表した。
この技術はもともとは米環境保護庁の研究所で開発されたもので、すでに商用のトラックなどで実用化されている。低圧の液体容器と高圧の窒素ガス容器の2つを使うというもので、ブレーキ時にポンプを回して液体を高圧ガス側へ注入。ガスは圧縮され高圧状態になる。加速時には高圧ガスが液体を押し戻す動作を行い、タイヤの回転を補助するという仕組み。ミニバンをターゲットに研究開発をするとしており、2012年にはデモンストレーションモデルが登場する可能性がある。