ソニーは20日、薄型テレビ「ブラビア」の2011年春モデル「EX720」「EX72S」「EX420」「CX400」の4シリーズ、13モデルを発表した。発売日、価格などは表の通り。

オプションの3Dメガネを導入するだけで、3Dコンテンツの再生が可能なEX720シリーズ

EX720シリーズに「TVサウンドバー」がプラスされた「EX72S」シリーズ」

EX720/72Sシリーズは、3Dコンテンツの再生に対応したモデル。3Dシンクロトランスミッターを内蔵しており、3Dメガネを用意するだけで3Dコンテンツの再生が可能だ。EX720シリーズは、60V型のKDL-60EX720、55V型のKDL-55EX720、46V型のKDL-46EX720、40V型のKDL-40EX720、32V型のKDL-32EX720の5モデルをラインナップ。EX72Sシリーズは、46V型のKDL-46EX72S、40V型のKDL-46EX72S、32V型のKDL-32EX72Sの3モデルをラインナップする。従来、ブラビアでは、40V型以上の大型テレビにのみ3D対応モデルが設定されていたが、今回の新シリーズではスタンダードクラスの32V型にまで、対応が広げられた。同社によると、ゲームユーザーなどを中心に、リビング以外でも3Dを楽しみたいという声が増えているというのが、製品化の大きな理由となったとのことだ。EX720/72Sシリーズは、全機種エッジ型LEDバックライトを採用したフルハイビジョンモデル。120Hzの倍速駆動にバックライトの部分駆動を加えて4倍速相当の表示を行う「モーションフローXR240」が採用されている。

モーションフローXR240 イメージ図

高画質回路は、従来の「ブラビアエンジン3」から「X-Reality」へと変更されている。X-Realityでは、映像を、模様、輪郭、色成分に分解し、それぞれの要素ごとに最適な処理を行うオブジェクト型超解像技術を採用。低解像度なネット動画から、フルハイビジョンコンテンツまで、高精細に表現する。また、シーンの中の平坦部を検出し、その部分を強調しないようにすることで、ノイズの発生を抑える処理、さらに、動きのある場所に発生するノイズ、暗い場所に発生するノイズ、拡大時に発生するノイズなど、ノイズの種類にあわせたノイズ低減処理を組み合わせることで、より効果的なノイズリダクションを実現している。

ネットワーク機能の拡充も行われている。まずは、<ブラビア>ネットチャンネルの動画配信サービスに「Video On Demand powered by Qriocity」を追加。26日より、ハリウッド映画や邦画などのストリーミング再生が利用できるようになる。コンテンツは200以上。SD/ハイビジョンだけでなく、3Dのタイトルも含まれる予定。なお、従来より利用可能な、YouTube、DMM.TV、アクトビラ(スタンダード/ビデオ/ビデオ・フル)なども引き続き利用可能だ。また、新たに、IP電話サービスのSkypeにも対応(2011年春のソフトウェアアップデートにより対応予定)。オプションのマイク内蔵コミュニケーションカメラ「CMU-BR100」(発売日/価格未定)を利用することで、ビデオ通話や音声通話を利用できるようになる。さらに、「TrackID」機能も搭載。同機能は、テレビで流れている曲の情報を、グレースノートの楽曲データベースから取得するというもの。番組内やCMなどで使用されている曲のタイトルなどを、画面上に表示させることが可能だ。そのほかに、Twitterアプリ(2011年春のソフトウェアアップデートにより対応予定)や、ネット上で写真の閲覧や共有を行う<ブラビア>ネットフォト by Life-Xなどにも対応する。もちろん、従来モデルよりある、ブラビアルームリンクやアプリキャストなどの機能も引き続き搭載している。

Video On Demand powered by Qriocity

また、新シリーズでは、スマートフォンとの連携も強化される。無料のアプリケーション「Media Remote」を利用することで(2011年春のソフトウェアアップデートにより対応予定)、iPhone、Android端末などを、ブラビアのリモコンとして使用可能だ。ブラビアの特徴のひとつとなっているFelica対応「おき楽リモコン」も、従来のEdyのみの対応から、Edy/Suica/nanaco/WAONへと対応電子マネーの種類を拡大した。また、残高照会や利用履歴の照会などを行うビューワー機能(2011年春のソフトウェアアップデートにより対応予定)も搭載される(Suicaは残高照会のみ)。

そのほかの新機能として、全機種USB接続タイプの外付けHDDへの番組録画に対応した。ただし、搭載しているチューナーは、地上/BS/110°CSデジタル×1、地上アナログ×1なので、番組の視聴中には、現在視聴中の番組のみ録画可能となる。録画予約はEPG上から可能だが、録画中にはチャンネルを変えることはできない。録画モードはDRに固定される。

なお、EX720シリーズと、EX72Sシリーズの差は、EX72Sシリーズにのみ、実用最大出力40Wのスピーカー「TVサウンドバー」が付属する点。EX72Sでは、テレビ本体のスピーカーとTVサウンドバーから同時に音声が出力される。EX720シリーズ/72Sシリーズの本体部分が搭載しているアンプは、フルデジタルの「S-MAster」。バーチャルサラウンドの「S-Force」フロントサラウンドも採用している。テレビのスピーカーのみで、臨場感の高いサラウンド再生が可能だ。EX720シリーズの実用最大音声出力は、KDL-60EX720が10W×3、他のモデルが10W×2。

接続端子は、HDMI×4/USB×2/D×1/コンポジット×1/D-sub15ピン×1/LAN端子×1/光デジタル音声出力×1/ヘッドホン端子×1を装備する。年間消費電力量はKDL-60EX720が163kWh/年、KDL-55EX720が162kWh/年、KDL-46EX720が124kWh/年、KDL-40EX720が123kWh/年、KDL-32EX720が86kWh/年、KDL-46EX72Sが132kWh/年、KDL-40EX72Sが131kWh/年、KDL-32EX72Sが93kWh/年となっている。

EX420シリーズは、イーゼルをイメージしたデザインを特徴とするモデル。32V型のKDL-32EX420、26V型のKDL-26EX420、22V型のKDL-22EX420がラインナップされる。バックライトはエッジ配置のLEDを採用しており、薄型のスタイルを実現している。今回発表された4シリーズのうち、EX420のみ、カラーバリエーションが展開されており、各サイズに、ブラック、ホワイト、ブラウンの3色、さらに22V型にはピンクも用意されている。パネル解像度は、全機種とも1,366×768。EX720/72Sシリーズと同様に、新エンジン「X-Reality」を搭載する。倍速駆動などには対応していない。ブラビアネットチャンネル、Skype、TrackID、ソニールームリンク(クライアント)に対応するほか、Filica対応の「おき楽リモコン」も装備する。USB接続のHDDへの録画も可能だ。音声部分は、「S-MAster」と「S-Force」フロントサラウンドを採用。実用最大音声出力はKDL-32EX420が10W×2、他のモデルは8W×2。接続端子は、KDL-32EX420がHDMI×4/USB×2/D×1/コンポジット×1/D-sub15ピン×1/LAN端子×1/光デジタル音声出力×1/ヘッドホン端子×1を装備。他のモデルでは、HDMI端子とUSBポートが、それぞれ1本となる。年間消費電力量は、KDL-32EX420が70kWh/年で、KDL-26EX420が55kWh/年、KDL-22EX420が49kWh/年。

個性的なデザインカラーバリエーションを特徴とする「EX420」シリーズ

CX400シリーズは、パーソナルユースを中心としたスタンダードなモデル。32V型のKDL-32CX400と22V型のKDL-22CX400がラインナップされる。なお、今回発表された4シリーズの中で、このCX400シリーズのみがCCFLバックライトを採用している。上位機種と同様に、新エンジン「X-Reality」を搭載。KDL-32CX400はフルハイビジョンモデルで、KDL-22CX400はハイビジョンモデル。いずれも、ブラビアネットチャンネル、Skype、TrackID、ソニールームリンク(クライアント)に対応するほか、USB接続の外付けHDDへの録画機能も搭載する。音声部分には「S-MAster」と「S-Force」フロントサラウンドを採用。実用最大音声出力はKDL-32CX400が10W×2、KDL-22CX400が5W×2。接続端子は、KDL-32CX400がHDMI×4/USB×2/D×1/コンポジット×1/D-sub15ピン×1/LAN端子×1/光デジタル音声出力×1/ヘッドホン端子×1を装備。KDL-22CX400は、HDMI端子とUSBポートの数のみが異なり、HDMIは2本に、USBポートが1基となる。年間消費電力量は、KDL-32CX400が85kWh/年で、KDL-22CX400が46kWh/年。

ネットワーク機能や録画機能などを装備するスタンダードモデル「CX400」シリーズ

新シリーズの発売時には、ブルーレイ3DソフトやUSB無線LANアダプタをプレゼントするキャンペーンが行われる予定。また、21日より、銀座のソニーショールーム、ソニーストア大阪、ソニーストア名古屋で、先行展示が行われる。

シリーズ名 型番 発売日 価格 推定小売価格
EX720 KDL-60EX720 4月17日 オープン 43万円前後
KDL-55EX720 3月13日 31万円前後
KDL-46EX720 25万円前後
KDL-40EX720 19万円前後
KDL-32EX720 16万円前後
EX72S KDL-46EX72S 3月20日 27万円前後
KDL-40EX72S 21万円前後
KDL-32EX72S 3月27日 18万円前後
EX420 KDL-32EX420 2月13日 9万円前後
KDL-26EX420 2月20日 8万円前後
KDL-22EX420 7万円前後
CX400 KDL-32CX400 4月17日 8万円前後
KDL-22CX400 2月20日 6万円前後