トムソン・ロイターは1月19日、世界の特許動向を分析した「2010年版技術革新レポート」を発表した。レポートで取り上げられた12分野のうち、10分野で日本企業がトップ10に入っている。

調査は、トムソン・ロイターが提供する世界最大の付加価値特許データベース「Derwent World Patents Index」を使用して実施。2010年1月1日から12月3日までに取得された登録特許および公開特許データを対象に動向を分析している。

調査の対象となった技術分野は、「航空宇宙産業」、「農薬・農業」、「自動車」、「コンピュータ・周辺機器」、「化粧品」、「家電」、「食品・タバコ・発酵」、「医療器具」、「石油・化学工業」、「製薬」、「半導体」、「電気通信」の12分野。これらは、トムソン・ロイターにより成長の著しい主要技術分野と位置付けられている。

トムソン・ロイターによると、上記12分野のうち、「農薬・農業」、「食品・タバコ・発酵」を除く10分野で日本企業が特許活動をリードしているという。具体的には、これら10分野すべてにおいて、日本の企業が最も多くトップ10に食い込んでおり、特に昨年比25%増となった「航空宇宙産業」分野の中でも最も特許数の多かった「宇宙船・衛星技術」に関しては、シャープ、三菱電機、三洋電機、京セラ、トヨタ自動車、富士フイルムと6社もランクインしている。

宇宙船・衛星技術における2010年の企業別特許登録数

順位 社名 件数
1 シャープ 日本 166
2 LG 韓国 156
3 Samsung 韓国 119
4 三菱電機 日本 101
5 三洋電機 日本 89
6 京セラ 日本 85
7 Applied Materials 米国 83
8 Dupont 米国 81
9 トヨタ自動車 日本 73
10 富士フイルム 日本 60

また、今回「半導体」、「電気通信」を抜いて2番目にまで上昇した「自動車」分野においては、開発競争の激しい「代替動力(電気自動車)」関連の特許で日本の企業が上位5社を占める結果となっている。

代替動力(電気自動車)技術における2010年の企業別特許登録数

順位 社名 件数
1 トヨタ自動車 日本 2179
2 日産自動車 日本 639
3 本田技研工業 日本 467
4 デンソー 日本 340
5 パナソニック 日本 287
6 Hyundai 韓国 284
7 GM 米国 243
8 Robert Bosch ドイツ 217
9 Daimler ドイツ 209
10 アイシン精機 日本 166

なお、分野別の特許件数は以下のとおり。

主要12分野の特許件数(クリックで拡大)