米AMDは15日、「Cayman」の開発コードネームで知られていたDirectX 11世代のGPUで、Radeon HD 6000番台の最上位製品となる「Radeon HD 6900」シリーズを発表した。ラインナップは「Radeon HD 6970」と「Radeon HD 6950」の2モデル。米国市場における参考価格は前者が369ドル、後者が299ドルで、本日より発売される。

「AMD Radeon HD 6970」

「AMD Radeon HD 6950」

各製品の位置付け。Radeon全体では継続してGPU×2基のHD 5970がフラグシップ

「Barts」ことHD 6800シリーズは投入済み。まだGPU×2基の「Antilles」が控える

Radeon HD 6000番台では既に「Barts」(開発コードネーム)ことRadeon HD 6800シリーズが製品化されているが、今回の製品はその上位シリーズとなる。なお、HD 6800シリーズが前世代のHD 5000シリーズのアーキテクチャをベースとした比較的マイナーチェンジと言える製品であったことに比べると、HD 6900シリーズではGPUアーキテクチャに大きな見直しが施されているという違いがある。

Radeon HD 6900シリーズのGPUコアのブロックダイアグラム

ブロックダイアグラムのグラフィックスエンジン部分の拡大で、従来の1系統共有から2系統独立に。またテッセレーション・ユニットはHD 6800から世代が変わり、HD 5870比の場合は最大3倍の性能アップだという

SIMD Engineのデザインも変わった。浮動小数点積和算器を4つ並列させる「VLIW4」というデザインを採用。従来の「VLIW5」デザイン比で、平方mm面積あたり10%の性能向上がうたわれている。また、GPGPU性能の向上も実現しているという

こちらはROPユニットの改良点。16ビット整数の性能が2倍、32ビット浮動小数の性能は2~4倍に

新たな省電力機能「AMD PowerTune」。GPUクロックを動的に制御し、指定の電力枠内で性能を上げることができるようになった

Radeon HD 6970の主な仕様は、ストリームプロセッサ数が1536基、テクスチャユニット数が96基、ROP数が32基、コアクロックが880MHz、メモリクロックが1375MHz(データレート5500MHz)。メモリタイプはGDDR5 SDRAMで、容量は2GB、接続バス幅は256bit。補助電源コネクタは8ピン+6ピンの2系統で、消費電力は最大300W以下。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express (2.0) x16。リファレンスカードの出力端子はDVI×2、mini DisplayPort×2、HDMI×1。

Radeon HD 6970の主な仕様

Radeon HD 6970と競合製品との比較(AMD調べ)

Radeon HD 6950の主な仕様は、ストリームプロセッサ数が1408基、テクスチャユニット数が88基、ROP数が32基、コアクロックが800MHz、メモリクロックが1250MHz(データレート5000MHz)。メモリタイプはGDDR5 SDRAMで、容量は2GB、接続バス幅は256bit。補助電源コネクタは6ピン+6ピンの2系統で、消費電力は最大225W以下。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express (2.0) x16。リファレンスカードの出力端子はDVI×2、mini DisplayPort×2、HDMI×1。

Radeon HD 6950の主な仕様

Radeon HD 6950と競合製品との比較(AMD調べ)