独SAPの元子会社TomorrowNowの不正ダウンロードに関する独SAPと米Oracleの訴訟で、陪審員はSAPが支払うべき損害賠償金額を13億ドルと発表した。この金額はOracle側の専門家が提示した17億ドルに近く、事実上Oracleの勝利となった。
この訴訟は、SAPが2005年に買収したTomorrowNowが、Oracleの著作権のあるドキュメントなどを不正にダウンロードしたとして、OracleがSAPを提訴したことに起因する。SAPは不正行為を認めており、2社は損害賠償金額について争っていた。TomorrowNowは、Oracleが買収したPeopleSoftなどのサポートを割安で提供するビジネスを展開していたが、SAPはその後、TomorrowNow事業を閉鎖している。
11月初めよりカリフォルニア州北部地区連邦地裁で3週間かけて行われた審理では、OracleのCEO、Larry Elisson氏やSAPの共同CEO、Bill McDermott氏らが法廷に立ち、それぞれ論証を展開した。
Oracleは当初、最大で40億ドルの損害賠償を要求したが、判事は損失顧客に対するアップセル/クロスセルの料金を含むべきではないと減額を命じた。Oracleはその後、約17億ドルとの見積もりを提示していた。一方、SAPは4000万ドルと主張していた。
最終金額は判事の決定を待つことになるが、SAPは陪審団が決定した金額について、遺憾の意を表明している。なお、SAPはすでに、Oracleの訴訟費用として1億2000万ドルを支払うことで合意している。