セクシャルハラスメント調査をきっかけにMark Hurd氏が米Hewlett-Packard(HP)のCEOを辞任した経緯について、米Oracle CEOのLarry Ellison氏が「Apple取締役会の愚か者たちがSteve Jobsを解任して以来の最悪の人事判断だ」とHP取締役を厳しく非難した。
これはEllison氏が電子メールを通じてNew York Times紙に伝えたコメントで、同紙がその内容を報じたことで明らかになった。同氏はまず、Hurd氏からセクシャルハラスメントを受けたという女性の訴えをHPが調査した結果、同社のセクハラ規定に反するような行為ではなかったとHP取締役会が認めていると指摘。さらにHP取締役会でセクハラの訴えを公表すべきかを話し合った際の票決が6-4に分かれたことを明かした。このようにセクハラ行為の明らかな事実が見つかっていないにもかかわらず、Hurd氏が去る道を選択したHP取締役会の判断に疑問を投げかける。1985年のAppleのJobs氏解任を例に「あの判断によってAppleは崩壊寸前まで落ち込み、もしSteveが戻ってきて立て直さなかったら、そのまま崩れ落ちていただろう」と述べ、「Hurd氏を失うことは、HP社員、株主、顧客やパートナーの利益を損なう判断である」とした。
OracleにとってHPは有数のパートナーであるが、OracleのSun Microsystems買収によってサーバ市場でのライバル関係が生じている。そうした企業間の関係とは別に、New York Timesによると、Ellison氏とHurd氏はテニスという共通の趣味を持つ親しい仲であるという。