米Hewlett-Packard (HP)は8月6日(現地時間)、Mark Hurd社長兼CEO、会長の辞任(同日付)を発表した。同社と契約していた外部の女性に対するセクシャルハラスメント行為の調査結果を受けて責任を取った。同社取締役会は同日、CFOのCathie Lesjak氏を暫定CEOに任命、社内外から後任を探す。

HPはHurd氏からセクハラ行為を受けたという女性の訴えに対して、取締役会の監督の下で社外の法律専門家も交えた調査を進めてきた。その結果、同氏の行為はHPのセクシャルハラスメント規定には違反しないものの、HPの標準業務基準に反すると判断された。Hurd氏は声明の中で「HPで5年間を過ごし、つらい決断ではあるが、引き続きHPのけん引役でありつづけるのは難しいと判断した」と述べている。

Hurd氏はCarly Fiorina氏の後任として2005年4月にHPのCEOに就任。NCR出身で改革手腕が評価されていたものの、当初は売上高が約10倍のHPの舵取りを不安視する声が上がった。だが、1万4500人規模の人員削減や、顧客との結びつきを強化する組織再編を断行するなど実行力を発揮して短期間で業績を回復。HPをグローバルPC市場トップの座に押し上げた。