経済産業省は8月3日、観光庁と共同で実施した「休暇取得の分散化に関する国民の意見募集」の結果を公表した。

同調査は6月22日~7月12日の期間で全国民を対象として「アイディアボックス」の仕組みを利用して実施され、全登録者数は3278名(男性: 70%、女性: 30%)となっている(回答者数は1758~2356人で、設問によってバラツキがある)。

同調査では、「あなたにとって、休暇取得の分散化は効果があると思いますか」という設問に対し、64%が「春の大型連休の分散化、秋の大型連休の創設のいずれも効果がないと思う」と回答したことが判明。また、「あなたにとって、休暇取得の分散化のメリットと感じられるものを教えてください」という問いに対しても、68%が「メリットは特にない」と回答する結果となった。

休暇取得の分散化に対する主な賛成意見としては、「経済活動のプラス要因となる(旅行費用の低廉化や混雑解消が実現すれば、旅行に行く回数・時間を増やす/レジャー産業、飲食業、小売業等各方面に経済効果が見込める)」「休暇に対する意識改革のきっかけになる(分散化をきっかけに有給休暇の分散・促進が期待できる)」といったものが挙げられている。

一方で反対意見としては、「企業活動の阻害要因となる(金融、交通システム等の混乱を招く/全国展開の企業では仕事の遅延・休日出勤に繋がる」「家族、友人と過ごす時間の阻害要因となる(地域で分散化すると遠方の家族、友人と休日をあわせにくくなる)」「日本文化の衰退に繋がる(祝日の意義が忘れ去られる)」といったものが主な理由として挙げられている。

休暇取得の分散化は「効果なし」が64%

休暇取得の分散化は「メリットなし」が68%

同調査には、「『年次有給休暇の取得を促進することが大前提』というご意見がありますが、あなたはどのように考えますか」という設問があり、これに対しては43%もの人が「その通りだと思う」と回答している。

なお、有給休暇や育児休暇などの取得促進に対する「主なアイデア」としては、「有休、育休、産休の取得率をアップさせるため、各企業に法的に強制力を持たせる」「有休の買取制度の法制化」といったものが寄せられている。

経産省では今回の結果を、休暇取得の分散化を検討するための参考にするとしている。