米Amazon.comは7月22日(現地時間)、2010年第2四半期(4-6月期)決算を発表した。同四半期の売上は65億6,600万ドルで前年同期比41%のアップ、純利益は2億700万ドルで46%のアップだった。KindleやAmazon Web Services (AWS)での急成長が見られたほか、既存のオンライン通販事業が好調だったことを挙げている。
今四半期における同社業績のハイライトだが、最も大きかったのは先日発表された「Kindle電子書籍の販売部数がハードカバーを上回った」という点だろう。特に6月後半にライバルの米Barnes & Nobleが電子ブックリーダー「nook」の価格引き下げと廉価版の新規リリースを発表したことを受け、Amazon.comもその対抗でKindle 2の値段を259ドルから189ドルへと値下げしたことで一気に普及に弾みがついたという。これら要素が組み合わさったことで、2010年前半における電子ブックの販売数は前年同期と比較して3倍規模にまで急成長したようだ。
だがこうした華々しい話が続く一方で、同社株価は22日取引終了後の時間外取引で120.07ドルから108ドル前後(原稿執筆時点)へと10%近く急落している。米Wall Street Journalの同日付けの報道によれば、Amazon.comは電子ブック市場の急拡大や既存ビジネスの好調が続く一方で、ビジネス拡大やマーケティングコストが40%ほど上昇しており、こうしたネガティブ要因が投資家らの大規模売りを誘った可能性があると指摘している。