パナソニックは21日、3Dビエラの新シリーズ「RT2」の新製品発表会を行った。ラインナップは「TH-P46RT2B」(46V型)「TH-P42RT2B」(42V型)の2機種。いずれも8月27日発売。価格はオープンで、市場価格は、TH-P46RT2Bが44万円前後、TH-P42RT2Bが39万円前後と予想される。
今後発表する42V型以上のテレビをすべて3D対応に
42V型以上のすべてのテレビを3D対応にすると表明した、デジタルAVCマーケティング本部長 西口氏 |
RT2シリーズは、3D対応テレビとしては世界初となるオールインワンモデル。1台で、3Dコンテンツの再生から、録画までを楽しむことが可能だ。同社によると、この4月から6月にかけて国内で販売した50V型以上のテレビのうち、約4割を3D対応モデルが占めていたとのことだ。また、2010年度、録画テレビがテレビ全体の販売台数に占める割合は、約2割になると予測しているという。RT2シリーズは、この両方の要素を兼ね備えたモデル。発表会で、同社のデジタルAVCマーケティング本部長 西口氏は「2010年~11年は3Dへの過渡期で、3Dテレビの国内市場は、2010年度、約50万台+αと見込んでいる。その中で半分以上のシェアを獲得することを我々の目標としている」と述べ、さらに「今後発表する、一部の廉価モデルを除く42V型以上のテレビ全機種を3D対応にする」と表明した。
3D/3Dのコンテンツをすべて楽しめるオールインワンタイプ
RT2シリーズは、スロットインタイプのBDドライブと、500GBのHDDを内蔵する3D対応テレビ。本体右側に装備されたスロットインタイプのBDドライブは、BDやDVDのソフトを入れた際の自動再生にも対応している。録画は、標準モードのほかに2種類の長時間モードに対応しており、内蔵HDDに長時間モード1では約182時間、長時間モード2では約364時間の録画が可能だ。デジタル放送用のチューナーは2基搭載しており、2番組同時録画も可能(テレビを視聴中の場合に同時録画ができるのは、現在視聴中の番組+1)。さらに、2番組同時録画の場合でも、その両方の録画に長時間モードを利用できる。なお、BDやDVDに番組をダイレクトに録画することはできず、一度HDDに録画してからダビングすることになる。
映像面では、今年4月に発売されたVT2シリーズと同様に「3D対応フル・ブラックパネル」を採用。120Hz駆動ののプラズマパネルだ。ビエラを含んだほとんどの3D対応テレビが採用しているフレームシーケンシャル方式では、左目用/右目用の映像をそれぞれ交互に表示している。この際に、左眼用の映像がまだ表示されているのに、右眼用の映像が表示されると(逆の場合も)、映像が二重に映る「クロストーク」が発生する。これを防ぐにはいくつかの方法があり、例えば、ある一定レベル以下の映像信号を表示しないようにすれば、クロストークは発生しにくくなる。しかしこの場合、コントラスト比は低下し、映像の暗い部分はつぶれてしまう。RT2シリーズに採用されている3D対応フル・ブラックパネルは、もともとホールド表示の液晶パネルに比べて表示時間の短い、インパルス表示のプラズマパネルに、短残光タイプの蛍光体を使用することで、さらに発光時間を短くしたものだ。これにより、ネイティブコントラスト比500万:1の表現力をキープしたまま、クロストークを防ぐことを可能にしている。
3D映像の視聴、録画、再生を1台でこなすRT2シリーズだが、3D対応のディーガはまったく必要ないかというと、実はそういうわけでもない。例えば、RT2シリーズとディーガとをi.Linkで接続して、RT2シリーズで録画した番組をディーガに転送、ディーガ側でBDやDVDに保存といったことも可能だ(7月21日現在、DMR-BWT3000/2000/1000/BW880/780/680/970/870/770が対応)。これによって、HDD容量の効率的な利用が可能になる。また、RT2シリーズには、DLNA互換機能の「お部屋ジャンプリンク」が採用されているが、搭載されているのはクライアント機能だけで、サーバー機能は載せられていない。録画した番組などを、別の部屋にあるテレビで試聴する場合には、サーバー機能を搭載したディーガを利用することになる。
S/M/Lの3サイズがそろった3Dグラスも発表
また同社は、RT2シリーズの発表と同時に3Dグラスの新機種、「TY-EW3D2SW」(Sサイズ)、「TY-EW3D2MW」(Mサイズ)、「TY-EW3D2LW」(Lサイズ)の3製品を発表した。いずれも8月27日発売で、価格はオープン。市場価格は1万3,000円前後。従来モデルより軽量化が計られ、さらにUSBからの充電に対応したことで、より手軽に使えるようになっている。