以前に大手書店チェーンの米Barnes & Nobleが電子ブック端末「nook」を発表したことを紹介したが、このnookに3G接続機能を省いたWi-Fiオンリーの廉価モデルが登場した。従来モデルの259ドルに対し、Wi-Fiモデルでは半額近い149ドルとなっている。なお、B&Nでは従来モデルも199ドルへの値下げを発表している。市場にはKindleやSony Readerといったライバルだけでなく、iPadも登場して競争が激化しつつあり、後発組のnookも対抗策の必要性に迫られている背景がある。また、この新型nookと値下げ発表を受け、米Amazon.comもKindle 2の値段を従来の259ドルから189ドルに緊急値下げしている。
nookはE-Inkディスプレイを採用した電子ブックリーダーで、その形状や使い方はKindleに似ている。最も大きな違いは本体下部にあるカラー液晶ディスプレイで、これがタッチパネル機能を備えたメニュー画面となっている。またOSにAndroidを採用しており、各種画像やフォント表示機能など、Androidがサポートするファイル形式や機能をすべて備えている点で特徴がある。Kindle同様、コンテンツ転送やWebアクセスに3GまたはWi-Fiを利用できるほか、LendMe機能を使って友人同士で本の貸し借りをすることも可能。販売はnook公式サイトほか、B&N店舗やBest Buyのオンライン/リテール店舗での購入が可能。
また今回のB&Nの発表直後、Amazon.comはnookと直接競合することになる「Kindle 2」の緊急値下げを発表している。従来価格は259ドルで、これを27%値下げの189ドルとしており、nook 3Gよりも10ドルほど安い価格となっている。Kindle自体は本体の販売そのものよりも、いかにコンテンツとなる電子書籍が多く販売できるかが利益に直結するというプリンタやデジタル一眼レフカメラに近いビジネスモデルをとっていることもあり、こうした素早い対応が可能だとみられる。