厚生労働省は6月14日、平成21年度における脳・心臓疾患および精神障害等に係る労災補償状況を発表した。これによると、精神障害等に係る労災請求件数が前年に比べて2割以上増加しているという。
過労死など(脳血管疾患及び虚血性心疾患など)の労災の請求件数は767件で前年度に比べて13.7%減少、また、支給決定件数は293件で前年度に比べて22.3%減少と、いずれも前年度に比べて減少している。業種別では、請求件数、支給決定件数ともに「運輸業、郵便業」に分類される「道路貨物運送業」が最も多い。
一方、精神障害などによる労災の請求件数は1,136件で、前年度に比べて209件(22.5%)増加した。支給決定件数は234件で、前年度に比べて13.0%(35件)減少した。
業種別で見ると、請求件数は「医療、福祉」に分類される「社会保険・社会福祉・介護事業」、支給決定件数は「建設業」に分類される「総合工事業」が最も多い。
職種別に見ると、請求件数は「事務従事者」に分類される「一般事務従事者」、支給決定件数は「販売従事者」に分類される「商品販売従事者」が最も多い。
精神障害等の判定に至った出来事の決定件数は、その他を除くと、上から「上司とのトラブルがあった」(134件)、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」(114件)、「重度の病気やケガをした」(69件)の順となっている。
支給決定件数の順位は、その他を除くと、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」(55件)、「悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした」(37件)、「勤務・拘束時間が長時間化する出来事が生じた」(25件)となっている。