米Appleは6月7日(現地時間)、Webブラウザ「Safari 5」をリリースした。Safari 4から最大30%の高速化を実現、「Safari Reader」という記事リーダー機能の追加、HTML5サポート強化など、盛りだくさんのバージョンアップとなっている。またSafariをカスタマイズする拡張機能を開発・提供するためのプログラムが登場した。対応環境はMac用がMac OS X Leopard 10.5.8またはMac OS X Snow Leopard 10.6.2以降。Windows用はWindows 7/ Vista/ XP SP2だ。
Safari Readerはニュースサイトやブログから広告などを取り除き、ユーザーが記事やストーリー本文に集中できる形で表示する機能。Webページに記事などが含まれていると、URLフィールドに「リーダー」と書かれたアイコンが現れる。これをクリックすると、文章と写真のみのリーダー画面が現れる。リーダー画面でも記事中のリンクは有効。オンスクリーンコントロールを通じて拡大/縮小、電子メールによる記事の送信、印刷などが可能だ。
URLフィールドでは、検索を組み合わせてURL入力を支援するスマートアドレス機能も強化された。テキストを入力すると従来のWebページのURLに加えて、新たにWebページのタイトルから検索した候補が提示される。
このほか検索フィールドでGoogle、Yahoo! に加えて、新たにMicrosoftの検索サービスBingが選択できるようになった。
検索フィールドでBingがオプションに |
高速化は、JavaScriptエンジン「Nitro」の強化、DNSプリフェッチ、ページキャッシュの改善などで実現している。JavaScript の実行速度は、Safari 4よりも最大30%高速。またChrome 5を3%ほど上回るという。DNSプリフェッチによりリンク先のWebページが高速にロードされ、またページキャッシュの改良で過去に訪れたページのロード時間が向上している。
Appleが力を入れるHTML5については、ジオロケーション、videoのフルスクリーン表示、videoのクローズドキャプション、article/aside/footer/header/hgroup/nav/sectionなどのセクショニング要素、HTML5 AJAX履歴、EventSource、WebSocket、HTML5 draggable属性、HTML5 フォーム検証、HTML5 rubyなどのサポートが追加された。
メジャーなWebブラウザベンダーの中でAppleは拡張機能のサポートに消極的だったが、Safari 5でHTML5/ CSS3/ JavaScriptなどWeb標準技術をベースとした拡張機能「Safari Extensions」の提供に乗りだした。拡張機能の開発から配布・インストールをサポートするExtension Builderというツールが、Safari 5には組み込まれている。開発者向けに「Safari Developer Program」を用意。Appleは各拡張機能にデジタル証明を提供する。今年夏後半にSafari Extensionsを配信するギャラリーがオープンするという。