オーリック・システムズ(本社:米国カルフォルニア州。以下、オーリック社)は3日、都内で記者発表会を開き、モバイルマーケティングの新会社「maqs株式会社」を設立し、7月よりモバイル広告マーケットプレイスの提供を開始することを発表した。
オーリック社は、携帯サイトのアクセス解析ツール「RTmetrics」および「myRTモバイル」の開発・提供を行っている。両ツールの特長は、携帯サイトのアクセス解析をリアルタイムに行える点。myRTモバイルは、9000以上のサイトに利用されており、月間約12億PVに到達している。今回、maqsが提供するモバイル広告マーケットプレイスは、これらの解析ツールの技術を用いたサービスとなる。
発表会では、maqsの取締役COO 木村潤氏が、新会社設立と7月から展開するマーケットプレイスについて紹介。オーリック社が携帯サイトのアクセス解析で培った技術と経験を活かせるとしたうえで、モバイル広告市場が順調に拡大していることを指摘し、今回の事業が「シーズ(種)とニーズを満たす」と述べた。
モバイル広告マーケットプレイスを紹介する木村潤 取締役COO |
サービスの詳細を説明する伊藤要介 ディレクター |
さらに、モバイル広告業界の課題として、広告が一部の大規模な携帯サイトに偏重していて、出稿したくても広告枠がなかったり、広告ターゲットにフィットしたサイトがなかったりする点を挙げた。そのうえで、媒体としての価値が認められていない小規模サイトが数多くあり、今回のマーケットプレイスでそれらを拾い上げ、価値のある媒体に変えたいとした。また、広告主にとっては媒体選択の幅が広がり、サイト運営者にとっては新たなビジネスチャンスが生まれる、という双方のメリットを説明した。
モバイル広告マーケットプレイスについては、広告についても、媒体となる携帯サイトについても厳正な審査を行うと述べた。そして、万が一の場合でも、悪質な広告やサイトを通報により排除できる仕組みを用意しており、安心して利用できることを強調した。
続いて、maqsのディレクター 伊藤要介氏が同社のサービスの詳細を紹介。「myRTモバイル」の特長を「リアルタイムに、いま来ているユーザーがわかる」としたうえで、それを利用した独自のスコアリングエンジンにより、自動的に広告主が希望する媒体に出稿できることを説明した。さらに、今年2月から行っていたテストでは、0.2%という高いCTR(クリック率)を記録したことを明かした。
7月にスタートするモバイル広告マーケットプレイスは、「広告主向け」、「媒体主向け」の2つが用意される。広告主は、会員登録を行った後で予算金額等を決め、バナーとリンク先のサイトを設定する。ターゲットを詳細に指定できるほか、除外したいジャンル等も設定できる。一方で、媒体主はサイトを登録して審査を通れば、サイトに貼るタグを取得できるようになっている。
マーケットプレイスの開始とともに、フォーラムサイト「maqsフォーラム」が開設される予定で、ユーザー同士の情報交換や通報ができる場となる。また、iPhone、Androidといったスマートフォンや、iPad向けのモバイル広告マーケットプレイスも、年内に対応する予定とのこと。