独SAPは5月12日(現地時間)、データベースの米Sybaseを買収することで合意したと発表した。買収金額は1株当たり65ドル、過去3ヶ月の平均価格に44%のプレミアムをつけたもので、総額58億ドルを見込む。宿敵・米Oracleとの競争が激化するなか、データベース技術を取得して競争に挑む。
Sybaseは第4位データベースベンダー。データベース管理、データ統合、データウェアハウスやBIソフトに加え、モバイル端末向けソリューションも提供する。SAPは買収により自社インメモリ技術を補完できるなど、2社の技術のシナジー効果を強調する。中でも、モバイル分野では、モバイル端末上でSAPとSAP以外のアプリケーションやデータにアクセスし、リアルタイムでのデータ分析や意思決定が可能になるという。
買収後、SybaseはSAPカンパニーとして独立して運営される。経営陣はそのままで、製品ロードマップも継続するという。すでにSybaseの取締役会の承認を得ており、SAPの米国子会社、SAP Americaが現金による株式公開買い付けで取引を進める。
買収戦略では比較的規模の小さい企業を買収することが多いSAPだが、Sybaseの買収は仏BusinessObjects(買収金額は約48億ユーロ)以来ともいえる大型買収となる。SAPは今年2月に共同CEO体制に移行、新しい経営陣は買収戦略を強化する姿勢を見せていた。