経済産業省は4月8日、「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として、横浜市、豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市を選定したと発表した。4地域では、スマートグリッド実現に不可欠なエネルギーマネジメントシステムの構築など各種実証実験を実施する。
「次世代エネルギー・社会システム実証事業」では、産業・住民・自治体など、地域が一体となって取り組みに参加し、民生・運輸部門のCO2削減を見える化することを目指している。実証においては、「電力系統全体」と「エネルギーマネジメントシステム」の相互補完関係の構築を行う。
4地域は次のようにそれぞれ民間企業と連介して実証事業を行う。
神奈川県横浜市
横浜市の実証事業に参加するのはアクセンチュア、東芝、日産自動車、パナソニック、明電舎、東京電力、東京ガスの7社。
同市では、みなとみらい21などの主要3地区で、「再生可能エネルギーの大規模導入(2万7,000Kwの太陽光発電導入)」、「スマートハウス・ビルの導入(4,000世帯)」、「次世代交通システムの普及(2,000台の次世代自動車普及)」などを実施する。CO2削減目標は、2025年までに04年比30%。
愛知県豊田市
豊田市の実証事業に参加するのはトヨタ自動車、デンソー、中部電力、東邦ガス、シャープ、トヨタホーム、富士通、東芝、KDDI、サークルKサンクス、三菱重工業、豊田自動織機、ドリームインキュベータの13社。
同市では、家庭内でのエネルギー有効利用(70件以上)、低炭素交通システムの構築(3,100台の次世代自動車普及)などが実施される。CO2削減目標は、家庭で20%、交通で40%。
京都府けいはんな学研都市
京都府けいはんな学研都市の実証事業に参加するのは、関西文化学術研究都市推進機構、同志社山手サスティナブルアーバンシティ協議会、京都府、京田辺市、木津川市、精華町、関西電力株式会社、大阪ガス。
具体的には、「1,000世帯に太陽光発電を設置」、「エネルギーの情報化により発電装置(太陽光・燃料電池など)、蓄電装置などを知的制御する家庭・ビル内ナノ・グリッドの実現」、「EVの積極的導入、給電ステ-ションネットワークの構築」などが実施される。CO2削減効果は、05年比家庭20%、交通は30年までに40%。
福岡県北九州市
北九州市の実証事業に参加するのは新日本製鐵、日本アイ・ビー・エム、富士電機システムズの3社。
同市では、「産業エネルギーも活用した新エネルギーなど10%街区の実現」、「街ぐるみでの省エネシステムの導入(70企業、200世帯を対象としたスマートメーターによるリアルタイムマネジメントの実施など)」などを実施する。
CO2の削減目標は、民生・運輸部門において、2030年までにマイナス40%、2050年までにマイナス70%という現在の数値にそれぞれマイナス10%上積みする。