MozillaがWindows Mobile向けの「Firefox for Mobile」の開発を中断した。モバイルチームのテクニカルリードであるStuart Parmenter氏がブログで明らかにしたもので、Microsoftが次期スマートフォンOS「Windows Phone 7 Series」でネイティブ・アプリケーション開発の道を閉ざしたためと説明している。
モバイルデバイス用Firefoxは、今年2月にMaemo版のバージョン1.0がリリースされ、Android版とWindows Mobile版の開発が進められてきた。
Parmenter氏によると、Mozilla内部でWindows Phone 7は「ユニークであり、市場で成功する可能性を秘めている」と高く評価されている。「Windows Phone 7の基盤はWindows CE 6であり、Windows Mobile 6.5で用いられているカーネルから大きな進歩になる。Windows CE 6プラットフォーム向けの開発は順調に進んでおり、Windows Phone 7向けに素晴らしいブラウザを提供できる準備が整っていた」と語る。だが、Windows Phone 7でMicrosoftはXNA Game StudioとExpression Blend 4をアプリケーション開発プラットフォームとしており、ネイティブ・アプリケーションの開発をサポートしていない。今後MicrosoftがWindows Phone 7向けにネイティブアプリケーションの開発キットを提供する計画もないため、Windows Mobile向けFirefoxの開発プロジェクトの中断を決めたという。
「AndroidやMaemoなど、われわれがコントロールできるの環境で、引き続き素晴らしいコンシューマ製品の開発に努力する」とParmenter氏。クローズドであるという理由から、MozillaはiPhone用Firefoxも開発していない。