HOYAのPENTAXイメージング・システム事業部(ペンタックス)は10日、同社では初となる中型一眼レフカメラ「PENTAX 645D」を5月中旬に発売すると発表した。価格はオープンで、推定市場価格は80万円台半ばを想定。

「PENTAX 645D」(別売レンズ「smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW」装着時)

同製品は、面積サイズが35ミリ判の約1.7倍という44mm×33mmのKodak製CCDイメージセンサーを採用。有効画素数は約4,000万画素で、広範なダイナミックレンジによる階調再現性や質感の描写に優れているという。また、モアレや偽色を低減させる代わりに解像度の低下にも繋がるローパスフィルターを廃止し、レンズと撮像素子が持つ本来の解像力を引き出している。

画像処理エンジンには、豊かな諧調と優れた色再現性を実現し、大容量データの高速転送も可能という同社デジタル一眼レフ専用の「PRIME(プライム) II」を搭載。14bit(最大16,384階調)での変換が行える高性能A / Dコンバーターも採用され、CCDセンサーが出力したアナログ信号を忠実にデジタル信号へ変換するとしている。

外装には軽量かつ堅牢なマグネシウム合金が使用され、シャシーは熱による膨張や伸縮が小さく動作精度と安定性にも優れたアルミダイキャストを採用。また、上面や背面のLCDカバーを硬質保護ガラス製にすることで、強度を高めている。70カ所にシーリングを施した防塵・防滴構造や、マイナス10℃までの動作を保証する耐寒性能も備え、アウトドア撮影が気兼ねなく楽しめる耐久性と信頼性を持つとのこと。

様々な角度からみた「PENTAX 645D」(すべて、別売レンズ「smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW」装着時)

加えて、CCD前面のUV・IRカットフィルター部を圧電素子で超音波振動させることでゴミを除去する「DR II(Dust Removal II)」機構を搭載。撮影した画像にゴミが写り込むのを防ぎ、屋外でのレンズ交換なども安心して行えるとしている。それでもゴミ付着した場合は、「ダストアラート」機能によって事前に知ることができる。

そのほかの機能として、高精度なオートフォーカスに対応する新開発の11点ワイドAFセンサーや、高精度な測光を可能にする77分割測光素子を採用。撮影者の意図や撮影シーンにあわせた画像仕上げが選択できる「カスタムイメージ」機能なども搭載する。

電源には、専用リチウムイオン充電池を使用し、フル充電で約800枚の撮影が可能。外部インターフェイスとして、USB2.0 / ビデオ出力端子 / HDMI出力端子 / 外部電源端子 / 外部レリーズ端子 / Xシンクロソケットを持ち、SD / SDHCカードに対応したデュアルスロットを装備。

突起物を除いた本体サイズは約156(W)mm×117(H)mm×119(D)mmで、バッテリーとメモリーカード2枚を含めた重量は約1,480g。

レンズは付属しておらず、マウントには「ペンタックス645AF2 バヨネットマウント」を採用。適合レンズ は、645AF2マウントレンズ、645AFマウントレンズ、645Aマウントレンズとなる。