本田技研工業は、新開発の空冷4ストローク直列4気筒1100ccエンジンを搭載したロードスポーツバイク「CB1100」を発売する。価格はスタンダードモデルが99万7500円、ABSモデルが107万1000円。発売時期はアップハンドルの「Type I」が3月11日、低いハンドル位置の「Type II」が6月4日。

CB1100 <Type I> ABS

CB1100は、大人の価値観に見合うロードスポーツモデルとして開発。「鷹揚(おうよう)」を開発のキーワードに、「味わいのある走り」「操ることの喜び」「所有することの喜び」を高い次元で具現化したという。

エンジンは空冷・4ストローク・直列4気筒の1100cc。空冷エンジンの造形の美しさを際立たせるために、薄く(2mm)奥行きのある形状の冷却フィンを採用した。ボア間に通風孔を設けることにより放熱効果を向上させるとともに、スパークプラグ座周辺にオイルを循環させて燃焼室回りを冷却する方式を併用している。エンジン特性は低・中回転域を重視したもの。電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)を採用し、全域で扱いやすい特性とした。触媒装置(キャタライザー)はエキゾーストパイプの集合部に置かれている。

車体は日本人の体格に合わせ、750cc並みの重量と足着き性を実現した。シート高は765mm。フレームは適度なしなやかさと剛性を両立させたダブルクレードルタイプとし、前・後輪はゆったりとした走行を楽しめる18インチを採用した。ブレーキには「コンバインドABS」(前後輪連動ABS)をタイプ設定している。また、ハンドルの形状は2タイプを用意。「Type I」はアップライトなライディングポジションとなり、「Type II」はハンドルグリップ部を30mm低く23mm前方に、幅を40mm狭く設定した。そのほか、アナログタイプの速度計と回転計、マルチリフレクタータイプのヘッドライト、メインスタンド、盗難抑止装置(H・I・S・S)などを装備する。

CB1100は、2007年の第40回東京モーターショーに試作車「CB1100F」として参考出品され、市販化への要望が数多く寄せられた。2009年の第41回東京モーターショーには市販予定車として出品された。

主な仕様は以下のとおり(カッコ内はType II)。全長2,205mm×全幅835mm[795mm]×全高1,130mm[1,100m]、ホイールベース1,490mm、シート高765mm、車両重量243kg(ABS車は4kg増)、空冷・4ストロークDOHC並列4気筒エンジン、1,140cm3(ボアφ73.5×ストローク67.2mm)、最高出力65kW(88PS)/7,500rpm、最大トルク92Nm(9.4kgm)/5,000rpm、リターン式5速MT、セルフ式スターター、タンク容量14L、タイヤ:前110/80R18M/C 58V 後140/70R18M/C 67V、燃費27.0km/L(60km/h定地走行テスト値)。

<Type I> ※キャンディーグローリーレッド

<Type II> ABS ※ダークネスブラックメタリック

<Type II> ※パールミルキーホワイト

ハンドルの違い。左:Type I、右:Type II

彫りの深い空冷フィン

独特のカーブをもつエキゾーストパイプ