KDDIは25日、2010年3月期の第3四半期(4月-12月期)決算説明会を開催した。第3四半期の連結決算については、営業収益が前年同期比1.7%減の2兆5853億円、営業利益が同7.4%減の2126億円となり、減収減益となった。

連結決算は営業収益が前年同期比1.7%減、営業利益は同7.4%減となった

減収要因として、中間決算の発表で表明された固定通信用のネットワークのスリム化に必要な費用および減損損失等による約550億円の特別損失を盛り込んだことが挙げられる。それに伴い、純利益が期初の2550億円から2250億円へ変更される。それ以外の営業収益、営業利益、経常利益については期初見通しからの変更は無い。

記者向け決算説明は小野寺会長兼社長が行った

本説明会では、同日に取締役会で議決されたCATV大手のジュピターテレコム(J:COM)への資本参加に関する説明も行われた。

現在、J:COMの株式は、米リバティグローバル(LGI)社が傘下の中間持株会社等を通じて37.8%(議決権ベース)保有している。KDDIは、その中間持株会社を3617億円で取得し、J:COMの間接的な筆頭株主となる。譲渡実施は2月中旬に行われる予定。取得費用は、全額銀行からの借り入れで行われる見通し。

J:COM資本参加のスキーム。中間持株会社取得は、SM社の合弁解消後、速やかに実施される

記者との質疑応答では、J:COMへの資本参加への件に質問が集中。今回の資本参加の提案については「ごく最近、LGI側から行われた」ことを明らかにした。その提案を受けた理由として、「(J:COMの)327万世帯の顧客基盤を自社グループの顧客基盤の強化に活かす」とともに、「(一部の回線サービスでNTT回線を借用していることを念頭に置いて)NTTグループへの依存度を低減させる」ことを挙げた。「子会社のジャパンケーブルネットワーク(JCN)との相乗効果も期待できる」と、既存の自社グループ事業へのプラスも見込んだ取り組みであることも強調した。J:COMに対する直接出資、あるいは出資比率を高めることによる子会社化、役員の派遣等については、「全てが白紙」と明言を避けた。

既存のKDDIの固定系サービスとの競合については、「J:COMは映像サービスにプラスアルファして、ネットサービスがあり、auひかり等(自社サービス)はネットにプラスアルファして映像サービスがある。メインターゲットが違う。お客様がどちらを選ぶかは自由。お互いに切磋琢磨してほしい」と述べた。

そのほか、関連会社であるUQコミュニケーションズに対する出資比率規制について質問を受けると、「(事業展開上)いずれは解消してほしい」と述べた。