米モバイル市場調査会社Flurryが、1月5日(米国時間)に発売されたGoogleブランドのスマートフォン「Nexus One」の発売1週間の販売台数を20,000台と予測している。これは昨年米国で発売された「iPhone 3GS」「myTouch 3G (Android)」「DROID (同)」に遠く及ばない数字で、Googleから直販という独特な販売方法の苦戦が伝わってくる。

Nexus One myTouch 3G DROID iPhone 3GS
発売日 10年1月5日 09年8月5日 09年11月5日 09年6月16日
販売国数 1 1 1 8
世代 1st 1st 1st 3rd
インストールドベース 0 0 0 2700万
第1週販売台数 20,000 60,000 250,000 1,600,000

Nexus One

Nexus Oneの発売1週間の販売台数はiPhone 3GSの1/80。IPhone 3GSは第3世代であり、また販売地域も異なるため単純に比較できないが、条件の近いmyTouch 3GやDROIDと比べても、それぞれ1/3と1/12である。

FlurryはNexus One不振の原因として、まず端末自体にサプライズが無かった点を挙げる。発売前からGoogleがGoogleブランドで投入する最も先進的なスマートフォンとして大きな注目を集めたものの、Android 1.6から2.0へのメジャーバージョンアップとなったDROIDの発売に比べると、バージョン2.0から2.1へのバージョンアップだったNexus Oneのインパクトは小さかった。Revolutionary (革新)ではなく、Evolutionary (進化)にとどまり、発売前の期待感を満足させるような"wow factor"に欠けたと指摘する。

またNexus Oneが話題になったのはスマートフォンに関心を持つ人たちの間での出来事だった。米無線通信キャリアVerizonが1億ドルのマーケティング費用を投じ、テレビCMなどを通じて積極的に宣伝したDROIDに比べると、Nexus Oneに対する一般消費者の認知度は低い。加えてGoogleのオンラインストアからの直販のみであるため、一般消費者が手に取って製品を確かめられない。また発売後にカスタマーサービスの問題が指摘されるなどトラブルが発生したのもマイナス要因になった。

ホリデーシーズン終了直後の発売というタイミングも出足に影響したと見る。ただしこの点については、「通信キャリアやOEMパートナーが最重要視するホリデーシーズンに、パートナーとの競争を(Googleが)避けた可能性がある」としている。

Flurryは「Android携帯の継続的な増加による選択肢の拡大を、米国のコンシューマは歓迎している」と分析する。同時に「(競争が激化すれば) 革新性を高め同時に価格を抑えなければスマートフォン購買層を引きつけられなくなる」と指摘する。より緻密で計画的なマーケティングも必要になる。

最後に「Androidは少しずつAppleのサードパーティ開発者サポートを切り崩しているが、今はもっと積極的にAndroidデバイスのインストールベースの拡大に努める必要がある。それを実現すれば、アプリケーション開発者もより本格的にAndroidサポートに乗り出してくるだろう」とまとめている。