太陽電池のターンキーソリューションなどを手がける半導体/FPD/太陽電池製造装置メーカーのアルバックは1月6日、太陽電池パネルによる発電設備と電気自動車(EV)用急速充電器を組み合わせたシステムを開発、製品化したことを発表した。また、併せて神奈川県茅ヶ崎市から同システムを受注したことも発表した。
同システムは、太陽光発電設備とEV向け急速充電器を組み合わせたEV向け太陽光発電・急速充電システムで、太陽光発電設備は、多目的発電システムに対応したもので、太陽電池パネル、パワーコンディショナ、電源設備、発電量管理モニタなどで構成される。
一方のEV向け急速充電器は、EVの充電スタンド用に開発されたもので、通常の充電器(AC100/200V DC2kW/6kW)で8~14時間かかるEVの充電を約25分で80%まで充電することが可能(AC200/400V DC25kW/50kW)。なお、規格としては東京電力のものに準拠しているとする。
この充電器は、同社の子会社である日本リライアンスが開発、製造したもの。日本リライアンスは、アルバックのスパッタリング装置用電源向けに開発した技術を応用し、同充電器を開発した。
同システムは、夜間や日照の少ない時は電力会社の一般電源を使用することが可能なほか、発電した電力をEVに充電しない時は系統連携により、電力会社へ売電することも可能となっている。
茅ヶ崎市より受注した太陽光発電設備・急速充電器システムは2010年3月までに、同市茅ヶ崎2丁目の市営駐車場に設置される予定で、駐車場屋上に設置される太陽電池(当初発電量20kW)、パワーコンディショナ、急速充電器(50kW)、通常充電器、発電量管理モニタなどで構成される。同システムで発電された電力と充電状況は、無線により市役所に転送され、役所内に置されたディスプレイで誰でも確認することが可能となる。
なお、アルバックでは、管理用モニタや急速充電器などを含めた同システム全体で初年度受注額10億円を目指すとしており、国内のみならず、海外においても積極的に受注活動を行っていくとしている。