MySQL

OracleによるSun Microsystemsの買収が進展の様子を見せはじめた。米国司法省はOracleによるSun買収を認めているものの、欧州委員会が懸念を示しているため依然として買収は完了していない。欧州委員会はSunを買収することでMySQLのポートフォリオがOracleに移ることに懸念を表明。エンタープライズデータベースにおける競争が不当になる可能性があるとみてきた。

しかし欧州委員会はEUROPA - Press Releases - Mergers: Commission welcomes Oracle's MySQL announcementにおいてOracleと建築的な議論を実施したと報告。Oracleはこれを受けてOracle Makes Commitments to Customers, Developers and Users of MySQLというMySQLに関する10カ条の約束事を発表した。

MySQLに関する10カ条の約束
ストレージエンジンAPIの公開を継続
サードパーティが開発したストレージエンジンをGPLのもとで公開しなければならないというポリシーを廃止
2014年12月10日までは現在のMySQL OEM契約をそのまま継続
MySQLの開発継続とGPLでのリリースの継続
サポートサービスの締結を強制しない
MySQL研究開発への投資を実施
MySQL開発へ顧客の要望を伝えるMySQL顧客諮問委員会の設置
MySQL開発へストレージエンジンベンダの要望を伝えるMySQLストレージエンジンベンダ諮問委員会の設置
MySQLリファレンスマニュアルの継続
MySQLサポートサービスの提供

しかし、MySQLのもともとの開発者であるMichael Widenius氏はこうした動きに懸念をしてしており、発表されたOracle Makes Commitments to Customers, Developers and Users of MySQLに関しても表層的なもので何も約束していないと懐疑的な意見をあげている。

Oracleや欧州委員会、Michael Widenius氏の意見などに対する反応は大きく2つに分かれている。Michael Widenius氏の意見を支持する声もあれば、反対もある。最終的に欧州委員会がどういった対応を見せるかで、この買収劇は終幕をむかえることになる。