北カリフォルニア地区の米連邦地方裁判所は15日(米国時間)、米AppleがMacクローンを販売していた米PsystarをDMCA(デジタルミレニアム著作権法)違反で訴えた裁判で、Appleの申し立てを認め永久差し止め命令を発行した。

差し止め命令により、Psystarは許可のないMac OS Xのコピー、販売、配布、さらにMac OS Xを用いた派生商品の製造などが禁じられた。またAppleによるMac OS Xの保護技術を迂回する製品、サービス、技術、デバイスやコンポーネントの提供も禁止された。PsystarはすでにMacクローンの提供を停止しているが、Rebel EFIという一般のPCにMac OS Xのインストールを可能にするソフトウェアモジュールを販売している。今回の命令ではRebel EFIも差し止めの対象になる。PsystarはMac OS Xの最新版であるSnow Leopardが裁判所判断の影響を受けない見通しを示していたものの、William Alsup判事は今後のバージョンも含むすべてのMac OS Xを差し止め命令の対象とした。

Psystarは控訴も検討している模様だが、年内に差し止め命令の内容に応じなければならないため時間的に厳しい状況だ。同社はMacクローンをOpen Computerという名称で販売。AppleのMac OS Xの提供方法を違法な抱き合わせを強いる反競争的な行為と批判してきた。その主張は認められず、2008年8月に始まったMacクローンの法廷闘争はAppleの全面勝訴で終わる可能性が非常に高い。