米Googleは12月3日(現地時間)、独自のパブリックDNSリゾルバ「Google Public DNS」の無料提供を開始した。Webの高速化をサポートするプロジェクトの一環であり、DNS参照の時間が短縮されるほか、セキュリティや安定性という点でも改善が見込めるという。
DNS(Domain Name System)は、インターネット上のドメイン名とIPアドレスを対応させるシステムとして用いられている。たとえばGoogleのWebサイトのIP(Internet Protocol)番号は「74.125.45.100」だが、DNSにより「www.google.com」という入力しやすいドメイン名を使ってネットユーザーは同社のWebサイトにアクセスできる。
Googleによると今日、平均的なインターネットユーザーに対して一日に数百のDNS参照が行われており、複雑なWebページではローディング開始までに複数のDNS参照が必要になる。そのため「Webブラウザの利用体験をユーザーが遅く感じる原因になっている」という。DNSの待ち時間には2つの要因がある。1つはユーザーのクライアントとDNSサーバ間。もう1つは解決サーバと他のネームサーバ間で、Cacheミス、プロビジョニング不足、DoSトラフィックなどが遅延を引き起こす。Google Public DNSでは、的確なプロビジョニング、DoS対策、共有Chacheのためのロードバランシング、プリフェッチ、グローバル規模の対応など、標準化が進む技術に実験的なテクニックも組み合わせて提供する。
ISPなどからDNSリゾルバをGoogle Public DNSに切り替える方法については、Google CodeのGoogle Public DNSのページで詳細が公開されている。