アイ・ティ・アールは11月27日、Windows 7を利用した場合の運用管理に要するコストの削減効果、パンデミック時の企業の損失コストの低減効果について、試算結果を発表した。同発表は、7月に発表した「Windows 7導入によるクライアントPCの関連コスト試算調査」の第2弾。

同社は、シミュレーションに基づく分析の結果、Windows 7は、ヘルプデスクへの問い合わせ数と1回の問い合わせを処理する時間を減らしてコスト削減に有効であるとともに、電源管理においても、電源オプションの利用により消費電力の削減とCO2排出に効果があることがわかったとしている。

今回、Windows 7の「トラブルシューティング プラットフォーム」と「問題ステップ記録ツール」を用いて、「ヘルプデスク要員の人件費」、「ヘルプデスクを利用する間の業務停止による人件費に対する影響」を検証した結果、年間の削減効果は約1,784万円となった。

また、1,500台のクライアントPCにおいて、電源オプションの利用率が26.5%のクライアントPCが電源オプションの設定を行った場合(以前の調査で得た結果)と、95%のクライアントPCで電源オプションを利用した場合の比較を行った。これらの消費電力の差は年間で約23万kWhとなり、この差をコストに換算すると年間で約529万円、1台当たり約3,500円となり、CO2排出量は約97万トンとなった。これらと上記のヘルプデスク関連の人件費削減効果を合わせると、コスト削減効果は年間約2,313万円に上る。

Windows 7 導入による年間での運用管理コスト削減効果 資料:アイ・ティ・アール

さらに、パンデミック時のコスト削減効果として、1,500台のPCを保有するモデル企業を前提に、Windows 7が備える機能(VPNが不要なDirectAccessのみの場合、それにデスクトップ仮想化機能を加えた場合)を活用した在宅勤務によって得られるコスト低減額の試算が行われた。その結果、DirectAccessを利用したリモートアクセスによるコスト低減効果は約2,553万円、さらにデスクトップ仮想化機能を利用した場合は約3,829万円になることがわかった。

Windows 7 導入によるパンデミック時の在宅勤務レベル別コスト低減効果 資料:アイ・ティ・アール

同調査の結果の詳細をまとめたホワイトペーパーは、同社のWebサイトより無償でダウンロードできる。