NTTドコモの山田隆持社長とソフトバンクモバイルの孫正義社長は、10日に開催された新商品発表会で、Androidの最新端末を来春以降にも発売することを計画していることを明らかにした。ドコモはSony Ericssonが欧州で発表した「XPERIA X10」を検討中で、ソフトバンクは現在未発表の端末になる模様だ。

ドコモの山田社長は、会見の中で「ドコモはスマートフォンに力を入れている」と強調。今回発表されたスマートフォンは1機種だが、「来年度もだいたい(今年度と)同じぐらい出す」意向だ。その中で、Sony Ericssonの「XPERIA X10」について問われた山田社長は、「現在最終検討中で、来年の春から夏にかけてドコモから出したい」と熱意を見せた。

ドコモの山田隆持社長

XPERIA X10は、Android上に新しいUIであるUXプラットフォームを採用し、独自色を打ち出した端末。QualcommのSnapdragon(1GHz)、4インチタッチスクリーン(480×854)、810万画素カメラなどを備えており、発表段階では10年前半から日本を含む世界で展開していくことが明らかにされていた。

ソフトバンクの孫社長は、検索ポータルのヤフーを傘下に持つため、「ソフトバンクは(Googleが主導する)Androidは出さないだろうと必ず言われる」が、「(Android端末を)出すと言ってきていた」という。そして今回、来春の新端末としてAndroid端末を投入することを明らかにした。

ソフトバンクの孫正義社長

「ソフトバンクが出す以上、一番高性能のAndroid端末を出す」と強調する孫社長。スペックとしては1GHz駆動のSnapdragonを採用。3.7インチの有機ELディスプレイを搭載し、スタイリッシュなデザインになるという。「同じAndroid端末でも、最も優れた、最先端の機種を他社に先駆けて出す」と意気込む孫社長。

孫社長の言う端末の詳細は明らかにされていないが、「(発売は)決定しているが、世界で発表していない新機種」であり、公表できないと言う。

Android端末がソフトバンクから登場

ソフトバンクは、国内では唯一iPhoneを取り扱い、孫社長も繰り返しiPhoneのメリットを強調しているが、会見でも「スマートフォンの中の王者は世界的に見てもiPhone」と絶賛。同社の中でも主力製品の位置づけは変わらないが、Windows MobileやAndroid端末にも特徴があり、ユーザーの要望に応えるのが「基本姿勢」と強調する。その中で、「やる(端末を出す)以上は最先端を提供していきたい。(iPhoneとの)棲み分けはできる」との認識だ。

今回の会見では、ドコモは端末の具体名は出ているものの発売は検討段階、ソフトバンクは発売は決まっているものの端末が公表できないという歯切れの悪い状態だが、来春にはAndroid端末が国内でさらに増加しそうだ。