シトリックス・システムズ・ジャパンは、仮想デスクトップを推進するため、XenApp機能を統合したデスクトップ仮想化ソリューションの新製品「Citrix XenDesktop 4」のほか、従量課金型を採用したシトリックス サービス プロバイダー(CSP)プログラム、XenAppを利用するユーザー向けの「XenDesktop 4トレードアッププログラム」を発表した。
XenDesktop 4では、Enterprise Edition以上で、XenAppの全機能を統合したほか、HDXテクノロジの機能強化、新たなデリバリテクノロジである「FlexCast」を搭載した。
HDXテクノロジの機能強化では、Flashコンテンツをネイティブ圧縮形式でユーザーのデバイスに送信して、クライアントの処理能力を利用して再生する「HDX MediaStream for Flash」、専用キーボードとディクテーション装置(Philips Speechmike)などのサポートと同時に、特別なスクリーン配置(U字型、L字型、T字型、逆L字型、逆さT字型など)とさまざまなサイズ、解像度、方向により、マルチモニター構成をカスタマイズできる「HDX Plug-n-Play」、帯域を多く消費するデータやグラフィックをキャッシュする機能のほか、HDX RealTimeでウェブカメラをサポートする機能などが追加された。
FlexCastは6つのデスクトップ仮想化環境に対応したデリバリテクノロジの総称。6つの仮想デスクトップ環境とは、ローカルPCの仮想化環境で動作させる「ローカルVMベースデスクトップ」、ローカルPCに仮想アプリを配信する「仮想アプリインストールデスクトップ」、ローカルPCにデスクトップ環境を配信する「ローカルストリームドデスクトップ」、「1つのブレードサーバ上で一人のデスクトップ環境を動作させる「ホステッドブレードPCデスクトップ」、サーバでユーザーごとの仮想デスクトップ環境を動作させる「ホスレッド VMベースデスクトップ(VDI)」、サーバ上の同一の環境を複数の人で共有する「ホステッド共有デスクトップ」の6つ。FlexCastではユーザーのさまざまなデバイスに配信でき、組み合わせを集中一括管理し、いつでも変更できる。
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 マイケル キング氏は「仮想化の世界とは、オフィス、ネットワーク、デバイスの制約を受けない世界だ。仮想デスクトップといえば、VDIが挙げられるが、VDIは仮想デスクトップの1つの形態にすぎない。完全な仮想デスクトップの形態は、すべてのユーザーにデバイス、ロケーションに依存しない形で提供することができることだ。それによって、エンタープライズ全体で事業の効率性を高めることができ、コストの削減を図ることができる。XenDesktop 4が初めての、そして唯一の完全な仮想デスクトップ環境だ」と述べた。
XenDesktop 4のEditionには、無償のExpress Editionのほか、VDIとホステッドブレードPCデスクトップのみをサポートする「VDI Edition」、6つすべての仮想デスクトップ環境とXenAppをサポートする「Enterprise Edition」、Enterprise Editionに加えてアクセスコントロールやシングルサインオンなどのセキュリティ機能などが利用できる「Platinum Edition」という3つの有償版がある。
価格は、Platinum Editionが50,100円(ユーザー/デバイスライセンス)、Enterprise Editionが3万2,200円(ユーザー/デバイスライセンス)、VDI Editionが1万3,700円(ユーザー/デバイスライセンス)で、11月16日より出荷される。
「XenDesktop 4トレードアッププログラム」は、XenApp同時使用ユーザーライセンスを2倍の数のXenDesktop 4ユーザーライセンスに交換できるプログラムで、新規でXenDesktop 4を購入する場合に比べ、最大で80%の割引になるという。XenDesktop 4トレードアッププログラムの希望価格は、ユーザー1人あたり1万3,650円からとなっている。
また、サービスプロバイダ向けの従量課金制は、SaaS、DaaS、HaaSなどのクラウドサービス向けの料金体系。プロバイダはユーザー数に応じて支払うことができるので、初期投資の抑制やユーザー変動によるリスクを回避できる。IIJではシトリックス・システムズ・ジャパンと協業し、この体系を利用し、「IIJ GIO」の中で仮想デスクトップサービスを、2010年2月より提供する予定だ。