グーグルは23日、NTTドコモのケータイ「HT-03A」に搭載しているOS「Android 1.5」を『Android 1.6』にバージョンアップしたと発表した。端末のデータとインターネットを同時に検索できるようにしたほか、「Android マーケット」で有料アプリの購入ができるようにしている。
「Android 1.6」では、「クイック検索ボックス」により、Webページだけでなく、端末に保存されている連絡先やインストールされているアプリケーションなども検索対象とすることができるようにした。カメラアプリも最新版に更新、写真撮影と動画撮影のモードをスイッチで簡単に切り替えるようにした。撮影した写真や動画は、「YouTube」や「Picasa」に簡単にアップロードできるようになっている。
セキュリティも強化。VPNによるネットワークへのアクセスをサポート、ユーザーデータのパスワード保護も実施する。また、電池残量の確認もできるようにし、アプリケーションごとにどれくらい電池を使っているかが分かるようにしている。そのほかに、音声合成機能(英語のみ)などの新機能も追加している。
さらに、従来国内では無料アプリケーションしか取得できなかった「Android マーケット」において、有料アプリケーションの販売を開始。これにより、日本の開発者は開発した有料アプリケーションを、ユーザーに円建てで販売できるようになった。開発者はWebサイト上で、自らの開発したアプリケーションを検証なしでアップロードすることが可能になっている。
決済方法は「Google Checkout」というサービスを利用してクレジットカードで決済を行い、販売価格の7割を開発者が得ることができる仕組みとなっている。有料アプリのダウンロードにおいては、初回のみ、ダウンロードから24時間以内であればキャンセルが可能で、その場合は課金はされない。ただし、1度キャンセルしたアプリを再度ダウンロードしても、キャンセルはできないようになっている。
また、東京都のグーグル本社で同日行われた記者会見では、Android 1.6搭載の携帯ユーザー同士でGoogleマップ上で位置情報を共有できるサービス『Google Latitude(グーグル ラティチュード)』についても発表された。
同サービスを使えば、ユーザー同士が互いに今どこにいるかが、Googleマップ上で確認可能となる。位置情報を共有するには互いの許可が必要で、実際にいる場所とは異なる任意の場所への設定もできる。さらに、相手によって、共有する場所のコントロールもできるようになっている。「例えば、家庭内のコミュニケーションツールや、子供の安否確認にも手軽に利用できる」(グーグル)としている。
Google Latitudeが利用できる時期について同社では、「Android 1.6へのアップグレードの完了を目途にリリースする」としている。同社によると、アップグレードが完了するには1週間程度必要としている。
記者会見には、NTTドコモ フロンティアサービス部アプリケーション企画担当部長の山下哲也氏も出席。Android 1.6について、「サービスの内容は地味に見えるかもしれないが、これで完成品とは思っていない。NTTドコモでは、Androidを熱く押していこうという方針で、デベロッパーの皆さんはぜひアイデアでチャレンジしてほしい」と述べた。
さらに、「今後もNTTドコモとしてAndroid搭載機種を積極的に拡大していきたい。ライフスタイルが変わる中でいろんなイノベーションが実現されていくと思うが、そのためのオープンな環境の一つがAndroidだと思っている」と、Androidへの"熱い"期待を表明していた。