J.D. パワー アジア・パシフィックは9月25日、2009年の日本カラープリンタの顧客満足度調査の結果を発表した。1997年から毎年実施している同調査は、全国の企業を対象に、オフィスで使用するカラープリンターの顧客満足度を調べるもので、今年の調査は2009年5・6月に実施し、1,482企業から回答を得た。

同調査では、カラープリンタの総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを算出しているが、ファクターおよびその影響度は、商品が44%、保守サービスが32%、販売対応が24%となっている。

同調査によると、カラープリンタの顧客満足度ランキングのトップはリコーとなり、これに富士ゼロックス、キヤノンが続く結果となった。

第1位のリコーは、上記の3つのファクターすべてにおいて評価対象メーカー中トップの評価を得ている。「販売対応」では販売会社の体制、営業担当者の顧客対応力、「保守サービス」では修理窓口担当者やサービス担当者の対応、「商品」では基本機能・性能、品質・扱いやすさの評価が特に高かった。第2位の富士ゼロックスは、各ファクターでセグメント平均以上の評価を得ている。特に「商品」面では、コストの評価が高い。第3位のキヤノンは「商品」でセグメント平均とほぼ同等の評価を得ている。

カラープリンタの顧客満足度ランキング(1,000ポイント満点) 出典(J.D. パワーアジア・パシフィック2009年日本カラープリンター顧客満足度調査)

同社では、カラープリンタの導入時は「機器の導入価格」がカラーコピー機以上に重視されるとともに、機器導入後の「維持費」が満足度に与える影響度合いもカラーコピー機と同様に高いことから、カラープリンタは導入時、導入後ともコストが重視される商材と分析している。

また、機器の使用年数を見ると、カラープリンタを4年以上使用している割合は4割以上と、カラーコピー機以上に長期間使用されているという。また、「維持費」の満足度を使用期間別では、4年以上カラープリンターを使用している顧客は、使用開始3年以内の顧客に比べ明らかに低い。この背景には、カラープリンタはカラーコピー機に比べ保守サービス契約を結ばずに利用しているケースが多く、修理するたびに費用がかかるため、「維持費」の満足度が低下してしまうと、同社では見ている。

こうしたことから、新機種への適時の買い替えを促進することで「維持費」評価の向上、ひいてはカラープリンタの総合的な満足度向上につながるが、そのためには顧客が機器を買い替えやすい価格帯の設定が必要とされている。