日立、イオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくん Sシリーズ新モデル

日立アプライアンスは17日、ルームエアコン「イオンミスト ステンレス・クリーン白くまくん」Sシリーズの新モデルを発表した。6畳程度のサイズにまで対応する、冷房能力2.2kWのモデルから、20畳程度の広さにまで対応する冷房能力7.1kWのモデルまで機種がラインナップされる。価格はすべてオープン。

エコポイント制度の導入により期待された今年のエアコン商戦だったが、異常気象の影響により、全体的には例年を下回る結果となった。しかし同社のルームエアコンは、上級機を中心にシェアを伸ばしており、2006年には10%以下にまで落ち込んでいた上級機のシェアは、今年の夏には20%程度になったという。これを牽引しているのが、2007年から採用しているステンレス。実際に同社のルームエアコンを購入した人に、購入理由のアンケートを行ったところ、内部構造をステンレスにしたことによる清潔性のアップという答えが最も多かったという。

さて、ステンレス採用の第4世代ということになる今回のモデルでは、内部構造のステンレス化による清潔性の確保と、2008年より採用されているイオンミストに加えて、エリア空調による省エネ性のアップが大きな特徴となっている。室内をセンサーで調べて、人のいる場所や活動量を測り、それに見合った空調を行うことで、省エネ性能をアップするという手法は、各社のルームエアコンで採用されている。同社のルームエアコンにも、「エコみるみるセンサー」という名前で実装されているが、この機能では部屋全体を9ブロックに分け、部屋の中で人がいる場所を中心に空調を行う。しかし、それ以外のエリアも、ある程度は空調が行われることになるそうで、同社では、一部分を重点的に空調するが、それでも全体空調には変わりは無いとしている。新モデルでは、リモコンと室内機が相互通信を行い、リモコンで操作を行った場合に、その場所のみを空調する「エリア・エコ運転機能」が搭載されている。この機能を使用した場合、部屋全体の空調は行わずに、リモコンの周囲、直径2m程度のみを空調する。また、リモコンには温度センサーも搭載しており、エアコンの動作によって変化したリモコンのある場所の温度をリアルタイムにエアコンにフィードバックすることが可能になる。この機能を使用すると、使用しない場合に比べて、冷房時では約25%、暖房時では約14%の省エネになるとのことだ(ここでいうエアコンの操作とは、「暖房」「冷房」などエアコンの動作に関するボタンを押した場合で、「電気代」といったボタンの場合にはサーチされない)。なお、リモコンには、普通の電池ではなく、リチウム電池とソーラーパネルが採用されている。この2つの組み合わせで、約10年間、電池を交換せずに使用可能だ。ただし、リチウム電池の容量がなくなった場合には、普通の単3電池×2を使用することになる。その場合、ソーラーパネルは利用されない(ソーラーパネルは、リチウム電池をわずかながら充電するという働きをしているため)。

もちろん、省エネ性能のアップはエリア空調のみによって行われているわけではない。まずは、室内機の熱交換器形状の変更。従来の熱交換器は、写真のように、電熱管を何本かまとめて1グループにしたものを組あっわせて作られていた。グループごとの間には若干ながらすきまがありここから風が漏れることで、効率が低下していた。新モデルに採用されている熱交換器は、写真のように、一体設計となっており、風の漏れがなく一定の風速が保たれ、効率のよい運転が可能になる。また、ファンのフィン形状を変更。フィンの面積を大きくすれば、より少ない回転数で大きな風量を得ることができる。

従来は、1枚1枚のフィンは台形型をしていた。しかし、この形状でフィンを大型化すると、今度は発生する騒音が大きくなるという。そこで新モデルに採用されたのが波形の形状を持つフィン。この新形状を採用することで、羽の面積を拡大しても騒音レベルが抑えられ、より高効率な運転が可能になったとのことだ。

型式	冷房能力	冷房時適用畳数	電源	発売時期	推定小売価格
RAS-S22Z	2.2kW	6畳程度	単相100V	11月上旬	20万円前後
RAS-S25Z	2.5kW	8畳程度			22万円前後
RAS-S28Z	2.8kW	10畳程度			24万円前後
RAS-S36Z	3.6kW	12畳程度			25万円前後
RAS-S40Z2	4.0kW	14畳程度	単相200V		26万円前後
RAS-S50Z2	5.0kW	16畳程度			29万円前後
RAS-S63Z2	6.3kW	20畳程度		12月上旬	31万円前後
RAS-S71Z2	7.1kW	23畳程度			33万円前後