Snow Leopardの主要な新機能の1つにGrand Central Dispatch (GCD)があるが、同機能のユーザー空間向け実装のコードがオープンソースとして公開されている。
libdispatchプロジェクトは、このGCD APIをベースにしており、Apache License 2.0でのライセンスが行われる。またGCDのカーネルサポートについてはXNUプロジェクトで行われているが、GCD APIのフル機能利用にはCコンパイラのBlocksサポートが必要になる。このBlocksサポートはLLVMプロジェクトの一部として提供されている。
GCDはマルチプロセッサコア環境でマルチスレッドを効率処理するための仕組み。Snow Leopardで新たに実装された機能であり、同機能の利用で例えばSafari上のGoogle MapsがLeopard世代以前と比較してかなり高速に動作するようになる。このようにGCDは最新の目玉機能の1つだが、早くもオープンソースとして公開される点は驚きだ。
GCDプログラミングに必要なリファレンスは、Appleが運営するオープンソースプロジェクトサイトMac OS Forgeのlibdispatchページで一通り提供されている。前述の通りGCDはBlock Objectとセットで扱われるため、CコンパイラでのBlocksサポートが必須となる。BlocksはC言語ならびにその派生言語に匿名関数(無名関数)とクロージャを付与するもの。