ヤマハ発動機は、水冷4ストローク450ccエンジンを搭載した新型モトクロッサー「YZ450F」(競技専用車)を10月30日より発売する(ホワイトエディションは11月30日より)。予約期間は9月16日から11月30日まで(同:10月12日まで)。価格は87万1500円(同:88万2000円)。
YZ450Fの2010年モデルは、エンジンを新たに設計して、F.I.(フィエールインジェクション)を採用。コンパクトな燃焼室とし、12.5:1の高圧縮比から高出力・トルクを絞り出す。また、燃焼時の最大筒内圧力時にコンロッドの傾きが少なくなる「オフセットクランク」を採用し、フリクションロスを低減している。また、また、燃料噴射量と点火時期を調整できる「YZ Power Tuner」も同梱される。
新エンジンの特徴は、前方ストレート吸気・シート下後方排気という独自のエンジンレイアウトにある。ドライバビリティに優れるだけでなく、レイアウトの自由度が高いというF.I.の特徴を活かしたもので、シリンダーは後傾(7.5度)している。これらにより、マスの集中化、高い排気効率、吸入口が前方にあるためエンジン熱の影響を受けない、自車のダストを吸い込みにくい、サスペンションユニットとのスペース干渉がない、といったメリットを得ている。
車体は、計16のパーツを相互に溶接してひとつのユニットとしたアルミ製バイラテラルビームフレーム。ショック吸収性に優れ、車体のマス集中設計との相乗効果により、高いハンドリング性能を引き出す。リアサスペンションの懸架位置はマシンセンター軸上として最適化し、特にジャンプ着地時の挙動安定感に貢献している。フロントフォークはオフセットの変更など、最適化が図られた。
シートはフラットシートを新採用し、ボトム剛性や荷重受け点構造を最適化。良好な乗り心地とフィット感を備える。そのほか、シート下樹脂製燃料タンク、薄肉フロントフェンダー、リアフェンダー、フロントゼッケンプレート、フロントフォークプロテクター、サイドカバー、エアスクープなど新パーツを採用。軽量パーツとして、新スプロケット、樹脂製エンジンガード(現行モデルはアルミ製)、軽量電装パーツなどを採用した。
主な仕様は、全長2,195mm×全幅825mm×全高1,310mm、ホイールベース1,487mm、シート高997mm、車両重量112.1kg、水冷・4ストロークDOHC単気筒エンジン、449.7cm3(ボアφ97.0×ストローク60.8mm)、5速リターン、キック式スターター、タンク容量6L、タイヤ:前80/100-21 51M 後110/90-19 62M。