「あなたたちは自分の作品の価値を過小評価している。恥ずかしがることはない、より高い値段をつけて、より稼ぐべきなのだ」──これが、携帯電話向けのモバイルアプリ競争でMicrosoftが開発者に送るメッセージだ。AppleのApp Storeから遅れること1年半、同社は今秋にWindows Mobile Marketplaceのローンチを予定しているが、99セントや無料アプリの氾濫する先行のライバルストアに対し、より高いプレミア性を訴えて対抗していくようだ。

TechFlashの8月19日(米国時間)のレポートによれば、米Microsoftは本社のある米ワシントン州レドモンドでのWinMoDevCampの開催にあたり、開発者に向けてこうしたメッセージを出しているという。米MicrosoftのMobile Developer Experience TeamのLoke Uei氏は「値付けはあなたしだいだ。だが我々は、あなた方がアプリを販売することで、1ドルの価格でアプリを売るよりもより多くの稼ぎを得てもらいと思っている。99セントは興味深い値段であり、もちろんユーザーが99セントのアプリを好んでいることも知っている。だが考えてほしい、たかだか99セントだ。あなたのアプリはそれよりも価値があるのではないか」と訴えている。

iPhoneアプリの買えるiTunes App Storeも、開始当初は50ドルや100ドルクラスのプレミアムアプリがあちこちで散見された。だが市場の成熟とともに淘汰も進み、10ドル以上のプレミアがついているアプリはごくわずかとなり、その多くは有料のもので4.99ドルや99セントなど、わずか数ドル程度のものがほとんどになってしまった。100万のアプリを販売できたとして、1ドルでは合計100万ドルの売上。手元に残るのはその7割。多くのアプリが万の桁に乗るのが難しいことを考えれば、成功できるデベロッパーは確かに限られるだろう。

Uei氏は「99セントのアプリを100万個ダウンロード販売するより、9.99ドルのアプリを50万個販売するほうがいいだろう。質の高いアプリをより高い値段で販売する、つまり"よい値段"で販売できるようにすることを考えている」と、Windows Mobile Marketplaceでのプレミア戦略のメリットを強調している。