エルピーダメモリは6日、独Qimondaとグラフィックス処理に適した高速データ転送を実現するDRAMアーキテクチャである「GDDR」に関し、その技術を導入すること、またその一部設計資産を譲り受けることで合意したと発表した。今回の同意により、エルピーダはグラフィックスDRAM事業に参入する見込みだ。
獲得するGDDRの技術開発は、新たに設置したミュンヘンデザインセンター(Elpida Memory Europe, Munich branch)にて、Qimondaの元従業員として当該技術に携わって来たエンジニア50名弱を中心に行われる。2010年上期には1GビットGDDR3および1GビットGDDR5の出荷を開始する予定。
これらの製品は、すでにQimondaで量産、設計完了の実績があるため、Qimondaのプロセス技術を継承するWinbond Electronicsに従来プロセスである70nmでそのまま生産委託することを計画しているという。また、新たに獲得したエンジニアリングチームによる技術開発を進めることで、同年下期には2GビットGDDR5の量産を広島工場にて開始する予定としており、こちらはQimondaのトレンチ型構造からスタック型へと改良を施し、50nmもしくは40nmプロセスでの生産を予定しているという。
GDDR技術を使用したDRAMは、その高速なデータ転送能力からゲーム機器を中心とするグラフィックス処理に最も適しており、メジャーなゲーム機器メーカーによる採用が進んでいる。またデスクトップPCやノートPCにおけるハイエンド機種のグラフィックス処理にも積極的に使用されている。
なお、エルピーダでは、画像用メモリに要求される転送レートは現在5Gbpsを超しており、8Gbpsを視野に入れてGDDR5を製品化していきたいとしている。