Appleが「Google Voice」のApp Storeへの登録を拒否したことが話題になったが、こうした行為を問題視して米国政府が調査に乗り出したようだ。米Wall Street Journal (オンライン版)の7月31日(現地時間)付けの報道によれば、米連邦通信委員会(FCC)が今回の行為について調査を開始したという。現オバマ大統領政権では独占禁止法の行使力を強めており、最近ではiPhoneに代表される携帯電話端末の特定キャリアへの独占供給といった業界慣習を問題視し、調査を開始している。

WSJによれば、FCCは7月31日になりApple、Google、iPhoneの独占提供キャリアであるAT&Tの3社に対してGoogle VoiceのApp Store登録拒絶の理由を問う質問状を送付したという。またFCCでは上記に加え、AT&Tがこの決定に関してどのように絡んだかの調査も行っているようだ。登録を拒否されたGoogle Voiceがどのような仕様を持っており、他のGoogleアプリケーションがAppleにどのように承認されたかプロセスを見極める狙いとみられる。

Google Voice for MobileについてはAndroidやBlackBerry用のアプリがすでにリリースされているほか、iPhone以外のAT&Tから提供されている携帯電話で利用可能なケースもあるなど、整合性で不可解な部分が多いといわれる。このほかiPhoneをモデム代わりにPCをインターネット接続可能にさせるティザリング(Tethering)機能の使用をAT&Tが認めていないこともあり、こうしたティザリングやVoIP通話を可能にするGoogle Voiceのようなネットワーク帯域を圧迫するアプリの使用禁止をAT&TがAppleに依頼しているのではないかという指摘もある。いずれにせよ、政府が本格的な調査に乗り出したことで今後は不透明だった部分が順次明らかになっていくだろう。